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大矢拓郎 木工展

   再会は2016年春、初回我谷盆賛の時でした。その数年前、朝鮮の焼物が好きですと、時々顔を出す工芸学校で木工を学んでいる若者がいました。「木工なら当店には朝鮮家具が沢山並んでますよ。」「興味はもっと小さいモノなんです。」の会話を思い出します。
   卒業後、佃眞吾氏の元で修業を積み、明けて自工房を持って間もない時期、我谷盆出展者としての来訪でした。
   森口氏主導の我谷盆賛は年を追って順調に伸びている催しです。その中にあってまとめ役を請けるまでに成長してこられました。
   大矢氏木工の基本は、丸太材を板に作る技の延長上にあると言われます。その時々に必要になる工具に拘り、工夫した工具から現われる木の味を生かした作品作りをされています。
   我谷盆の底面に鑿痕を残さない手法を用いたり、此度は「鉋目なぐり」の手法を編み出し、重箱などを仕上げています。

   2024年9月4日(水)〜9月8日(日)
   12:30〜17:30
   写真/お月見重 w23×d23×h19.5cm 撮影/伊藤 信


韓古陶探求陶人展15

   先日、庭に出ると去年夏に枯れたと思っていた無窮花が、根元近くで芽吹いており自然の強さを感じました。此展も暑い夏を乗り越える力のある催しになるよう工夫を重ねたいと思います。
   今年の新参加は渡辺林平氏です。備前焼研修所を経て、岡山の山中に薪窯を築き、焼締から陶器に幅を拡げ、粉引皿等を中心に、研鑽されてきましたが、50才の節目を迎え発表の機会を増やす決意を聞き、お誘いしました。
   今展の寄合棚テーマは旅茶碗です。昨年のテーマ茶碗を一歩進める積もりでした。茶碗としては共通ながら、相当に違いがあるテーマだと気付きました。出展者からの反応も強いものがあり、充実した展になると思います。

   [出展者]松葉勇輝 タナカシゲオ 菊池 克 木村龍生 土本訓寛 高木 剛 鈴木大弓 伊藤明美 光藤 佐 尾形アツシ 市川 孝 水垣千悦 渡辺林平(順不同)
   [寄合棚限定参加]杉本貞光 長谷川奈津 笹山芳人(順不同)

   2024年8月5日(月)〜11日(日)
   12:30〜17:30 会期中無休 予約歓迎(kawabi.jp@gmail.com)
   写真/バウプラス久保田康夫


笹山芳人第廿回陶展

   笹山さんといえば半泥子への憧憬が主柱にあります。変幻自在な茶?作りに没頭、茶三昧、限りない憧れです。
   普段あまり口にされないが、陶人芳人さんに強く影響しているのが伊賀焼土鍋職人だったお祖父さん常次郎氏です。
   自分がやっているのは伊賀焼ではないという彼の言葉は、子供の頃見ていた1シーズン12,000個の行平を作っていた超人的作陶力のお祖父さんへの畏敬の念であり、土に触れる前に既に叩き込まれた土台だと思います。
   陶人として古稀を越え、先を見据えて、個展と陶人展を隔年とする生活リズムにしたいと申出を受け、快諾しました。
   茶碗を中心に据えながら、その時々に手に入った土に向かい自然な流れで出来る器を作って、力強い個展を続けてゆきたいと言ってくれました。今年から開催期も暖かい祇園祭の時季です。初日、土日は作家が在廊します。どうぞ宜しくお願いします。

   2024年7月17日(水)〜21日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎(ご予約はメールでお願いします。)kawabi.jp@gmail.com
   撮影/田中幹人


骨董チョガッポ展’24

   この道の先達許東華氏は物を覆ったり包んだりする風呂敷のような役割をする布をポジャギと紹介されています。かなり広い意味です。
   その中で衣服などを作った時に出来る端布を継ぎ合わせてポジャギにしたものがチョガッポで、私が魅かれるのは、麻、苧麻のチョガッポです。朝鮮時代に女性が質素倹約の精神で残り布をコツコツと貯めて作ったものです。
   ものを包む為には強度が必要なので布と布を継ぐ時は、縫い代を巻き込んで仕立てるカムチムチル方式で継ぐことや、バイアス布が入ると傷み易いので、布の目の方向を揃えることが共有の智恵でした。大きいものに対応できるよう4〜3隅に紐をつける知恵もありました。
   散乱させずに端布を貯める為、帯状に繋いだものを貯める方法もとられていました。そう言う知恵の集積がチョガッポの美の根源にあると思うのです。

   2024年7月3日(水)〜7日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎(ご予約はメールでお願いします。)kawabi.jp@gmail.com
   写真/田中幹人


水野悠祐 木工展

   朝は小雨が残る花冷えの一日、宇治池尾の水野工房を訪ねました。以前の個展に銘木店主が見えており、材木の仕入れに彼がかなり気を入れていると察していました。
   各種の材木に囲まれた工房で、今展の制作プランを聞きながら何気なく引出した杉板をじっくり見ていると、美麗な木目を持っていたり、貫禄を感じて取上げた材がずっしり重く、測っていない重さが貫禄と見えたのかと思ったり、愉しい時間でした。
   此地池尾は明治期には上喜撰銘の茶として、一世を風靡した宇治茶の生産地で、今は茶畑跡がわずかに残るのみでしたが、チャイの名和氏は名残の茶畝に惹かれていました。奥深い地なればこそ、幾種もの桜が咲き乱れ、思いがけない山桜の渓景色もあり佳郷でした。
   今展も小盤が新しいタイプを加えて各種並びます。カトラリーもあり小箱類が愉しいです。美は細部に宿ると言いますが、全てフリーハンドの水野氏の制作姿勢は細部ひと工夫の豊庫です。
   ※6月15日(土)には名和靖高氏のチャイを裏庭片庇でお楽しみ頂きます。

   2024年6月12日(水)〜16日(日) 12:30〜17:30 
   予約歓迎(kawabi.jp@gmail.com)
   写真/ミニ小盤w25.5cm 壁掛状差  撮影/田中幹人


-自然と人を大切にする女性主導社会を目指す-
第四回 さつき工人展

   今回から札幌のAch so ne(アソネ)が加わり、3店共催で開催します。年毎に共催者が増え心強く、地域も大きく拡がり、喜ばしく思います。
   ロシアのウクライナ侵略もイスラエルによるガザのジェノサイトも人の叡智で阻止せねばならない極重大事ながら、未だ止まりません。男社会の底に流れる力の論理を覆さねばなりません。自然と人を大切にする女性主導社会を目指す行動により、それを実現しましょう。さつき工人展の発展にお力添えをお願いします。-川口美術-
   女性主導社会=「女性がリーダーになることにいちいち不便が生じない社会」なのかな、と思っています。そしてそれはどんな人にとっても生きやすいことを意味するのではないでしょうか。-二十日-
   今展示では、積極的に女性の視点と価値観を取り入れ、より良い社会を目指す機会となることを願っています。-Ach so ne-
   今回新参加の山田さんは、能登地震で被災された珠洲の陶工です。川口美術裏庭では、期間中、珠洲応援催事を組みたいと思います。

   [賛同出展者]長谷川奈津、水垣千悦、山極千真沙、竹本ゆき子、濱比嘉詩子、室田志保、李明恵、山田睦美(陶工8名)
   登根円、田中早苗、朝倉玲奈、川地遥、牧由加里(木漆工5名)
   荒木桜子(ガラス)山崎愛美(布袋・仕覆)朝枝加容子(紙箱・紙装)
   林七緒美(金工)中島英世(織・芭蕉布)
   写真/バウプラス京都 久保田康夫

   2024年5月1日(水)〜5日(日)

   セレクトショップ&ギャラリー
   Ach so ne(アソネ)
   〒063-0828 札幌市西区発寒8条14丁目516-544 1F
   営業時間 12時〜17時
   ホームページ  https://www.achsone.jp/about
   インスタグラム https://www.instagram.com/ach.so.ne/

   北欧と日本の古いもの 編み組み ほか
   二十日
   〒606-0805 京都市左京区下鴨森本町13-6
   営業時間 11時〜18時
   メールアドレス hatsuka@iris.eonet.ne.jp
   インスタグラム www.instagram.com/hatsuka.kyoto

   韓国骨董&ギャラリー
   川口美術
   〒606-0801 京都市左京区下鴨宮河町62-23
   営業時間 12時半〜17時半
   メールアドレス kawabi.jp@gmail.com
   ホームページ  https://kawabi.jp/


菊池克 第四回文房具展

   国東半島の「陶迦葉」を訪ねたのは、前夜の雪で海は波高く九州の交通が大幅に乱れた正月下旬でした。
   半島中央に連なる山裾に並ぶ、住まいと工房、窯場が根を張って繋がっている様に感じました。菊池氏が早朝に読経をする、ほど近い無住寺を案内してもらい、そこに古代の仏教が今に息づいているのに驚き、国東の奥深さを垣間見た思いです。
   朝鮮時代の文人は山野に遊ぶのを好んだと聞きます。山の清水を汲むとき、酒を飲むとき用にカップを腰に下げていました。瓢のほか色んな素材のものもあるのだが瓢子杯と呼ばれています。瓢箪は古来、人の生活に密着し様々に使われ、瓢形も親しまれてきました。
   今展写真は水滴六瓢です。無病(ムビョウ)に通ずとかけた作品です。各種文具の他、食器類や千手を目指す菩薩手コーナーもあり、いつもながら機知に富んだ作品が並び愉しい文房具展が想えます。

   2024年4月17日(水)〜21日(日) 12:30〜17:30 
   予約歓迎(kawabi.jp@gmail.com)
   写真/六瓢水滴  撮影/伊藤 信


伊藤祐嗣 金工展

   伊藤さんの友人に、全国の酒蔵に詳しいはせがわ酒店の専務がおられます。仕事でつながる方ですが、何かと言って一緒に旅もする相棒であり、酒好き仲間です。
   まして、江戸は神田の寿司屋の孫で、上野の芸大でものづくりを覚えた人とあれば、料理用具や酒器類が得意な金工人、稀有な工芸家であることが腑に落ちます。
   滋賀に昔から朽木盆があり、不思議と楕円です。それは九九曲がり谷川奥の木地山邑で、生木をロクロで挽き、冬場の里で塗上げた物だろうとの話がうけて、今展は楕円テーマにして頂くことになりました。 楕円鍋は煮上がったものを移す時など抜群の使い良さがあり、楕円盆はお一人用茶菓セット置きとして特有の治まりがあります。その他酒器、花器や茶器など多彩な作品が並びます。
   *伊藤展でチャイを呈茶したいと、南インドの茶園から帰国した旧知の名和靖高君が3月23日(土)庭の片庇でチャイを入れてくれます。

   2024年3月20日(水・祝)〜24日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎(kawabi.jp@gmail.com)
   写真/楕円色々 於spina pesce工房 撮影/伊藤祐嗣


濱比嘉詩子 陶彫展

   朝鮮民画を見ていたら、昔の絵師と友達の様な気がしてきました。自然と生き物が遊びながら、仲良く調和している世界観、こんな心の庭を持てたら楽しいだろうな。
   焼きものの人形をつくる生活を通じて、この世の中と調和する方法を探しています。
   自然と人が,人と人が、神様と動物が,宇宙と自分が調和出来たらいいな。

濱比嘉 詩子

   濱比嘉詩子さんは愛知県常滑市で生まれ育ち、沖縄県立芸術大学に進み彫刻科を卒業。
   常滑に戻り、陶彫工房を構え20年になります。温かい心を持つ彼女が生み出す陶人形をお楽しみ下さい。

川口 慈郎

   2024年2月21日(水)〜2月25日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎 月火曜定休
   写真/伊藤 信


韓国骨董一品紹介

   今回ご紹介するのは米櫃です。
   トゥィジュと呼ばれ、豆櫃、胡麻櫃も含む穀物櫃の総称です。
   パンダヂやトンケと違い、4本脚で立つ独得のスタイルの家具です。その脚は、鼠除けと言う大事な用のある脚です。
   その中で、ご紹介の櫃は通例と比べ奥行きがかなり狭く、錠前用金具も付いてなくて、個性が際立ちます。
   蓋と身の接点はすり減り、表面の黒漆は一部剥げ下地の赤みが出るくらい使い込まれた家具で、年代を強く感じます。
   米櫃と言ういたって日常的な家具でありながら、静かな品格を感じます。
   この機会に、手持のトゥィジュを数点並べます。

川口 慈郎

   2024年1月31日(水)〜2月4日(日)
   12:30〜17:30 予約優先(kawabi.jp@gmail.com)
   写真/米櫃w83.3 x d39.5 x h60.5p 撮影/田中幹人


謹賀新年

   韓国骨董、朝鮮家具を商う骨董屋として三十年続けてくることが出来、大変有難く思い、ご贔屓頂いた皆様に深く感謝致します。
   家内が愛した生花を軸に人と人∞人と物≠フ出会いの場として、人柄重視の現代工芸ギャラリーとしても、ご支持いただき、両輪をなすに到っています。作り手皆様にも厚く御礼申し上げます。
   三十周年を越えた未来に向けて「自然を大事にする女性主導社会を目指す」活動を強化して参りたいと思います。
   今年は更に未来を拓くため、心身の状態を確認しながら海外へ運ぶことも計画しております。ご理解ご協力をお願い致します。
   皆様のご健康と世界の人々の平穏をお祈りし、併せて変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。
   二〇二四年  元旦

川口 慈郎

   境界欄の記事
   写真/朝鮮民画、忠文字図 撮影/田中幹人
   *忠字にはよく龍があしらわれますがこの作者の天衣無縫ぶりは格別です。


松葉勇輝 陶展

   「原点回帰」作陶10年、節目の年に当り、掌サイズに絞っていた初期の心に帰り、小振の花器を中心に据えた展示を目指します。

川口 慈郎

   個展と陶人展を軸に、松葉氏の陶への取組に接して参りました。
   窯への取組だけみても、灯油窯に薪を加える工夫を熱心にしていた頃、炭窯の拡大に夢中だった頃、本腰を入れて薪窯を築いた頃、その時々正面からの取組によって氏の陶が深みを増したと思います。
   作品としては、当初から花器が意中にあり、一貫しています。中でも掛花生に重心を置いた時期を経て、小振の花器は氏の人気の中心的存在になっています。
   また、“須恵”への想い入れ、中でも細網印文土器は、氏ならではの、孤高の作品と注目しています。

   境界欄の記事
   写真/朝鮮民画、忠文字図 撮影/田中幹人
   *忠字にはよく龍があしらわれますがこの作者の天衣無縫ぶりは格別です。


-川口美術30周年記念-
第七回我谷盆賛

   此展は7年前、森口信一氏のお話を受けてスタートし、年を追って盛んな催しとなっています。同じ年に氏は風谷アトリエを立ち上げられました。ほぼ週3日は風谷で暮らす生活を続けてこられ、アトリエメンバーも着実に増えて、我谷盆作りの核として育て上げられました。
   此展に黒田辰秋氏直筆の「我谷盆賛」を掲げて、幸いご愛顧のお客様が順調に増えております。
   我谷盆の基本は、ザックリ割った栗の厚木をノミだけで刳り、ノミ跡を残した素朴なお盆です。今年も力のこもった作品が多数並ぶと期待しています。
   大矢拓郎氏と川地遥氏を中心に当記念展が更なる飛躍の一翼を担わせ頂ければ幸いと思います。ご来店をお待ちしております。

   2023年12月6日(水)〜10日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎(ご予約アドレス kawabi.jp@gmail.com)
   写真/田中幹人


-川口美術30周年記念-
杉本玄覚貞光陶展

   当店開店以来のテーマ"花生け"にちなみ、此展は花器に重点を置いて下さいました。一輪挿しや掛花生けをはじめ手頃な徳利型花生けなどを色々の焼種で制作して頂いており、赤楽タイプもあると聞き、会場の華やぎを想いました。
   この様な構想をして頂くことを有難く思い、且つ八十八歳とは思えない思考の若さを感じました。唐突ながら杉本様、米寿お目出度うございます。ご壮健を祈ります。
   師と仰ぐ大徳寺の高僧、故立花大亀和尚から授かられた言葉「茶盌を焼くなら長次郎を目指せ」は、氏にとって終生の命題です。此度の黒茶盌がそれであり、錆びを感じるカセた肌の奥深い茶盌です。
   花器、茶器の他、食器、酒器を加え幅広い品揃えで皆様のお越しをお待ちしております。2階舎廊房隅に茶席を設け、会期中随時、茶人中山福太朗氏に、展示茶盌で点茶頂きます。出会いをお愉しみ下さい。

   2023年11月22日(水)〜26日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎(ご予約アドレス kawabi.jp@gmail.com)
   写真/黒茶盌 撮影/田中幹人


-川口美術30周年記念-
高木剛 李椿窯展

    春の豪雨では窯が水浸しになり、家族総出で水を汲み出し、近隣の方々のご支援を得て、各地からお見舞い激励のメッセージを頂き有難うございました。お陰様で窯への影響は僅かで、被災後窯出しした作品を今展に出展します。
   高木氏にとってこの薪窯は京北町以来念願の窯であり、うきは市に移り薪窯中心の生活入ったことは、作陶20余年にして、今、メインステージに立った気持ちかと思います。
   数年来温めてきた茶碗への思いを此地で形にし始めました。氏の仕事振りから、今迄取り組んできた食器、中国茶、花瓶などを減らすことなく茶碗に取り組んでゆくのだと思います。
   今展では相当数の茶碗が並びます。剛茶碗元年と言えそうです。これらの茶碗を、ご来店のお客様に試して頂く茶席を10月20日(金)庭の片庇にて、亭主中山qセ朗氏で設けます。お愉しみ下さい。

   写真/唐津筒茶碗w10cm 撮影/田中幹人
   2023年10月18日(水)〜22日(日)
   12:30〜17:30 予約歓迎


-川口美術30周年記念-
水垣千悦 陶展

   開業10年の頃、韓国骨董に加え、ギャラリー活動に取組んだ時期でした。工芸学校の若い学生さんが、思いがけず韓国骨董のお客様になってくださった。それが水垣千悦さんとの出会いでした。
   夏の陶人展に初期より参加して頂き、20周年には個展を開いて頂きました。しっかりした技をベースにしながら気負わない白磁、染付、粉青の構成でした。朝鮮中期の白磁面取壺から、作陶姿勢まで読み取っておられるのを感じました。
   展覧会で、お茶漬碗とグラノーラ碗を求め、日頃からお茶を淹れている茶人がいて、此展の話をしたら、ぜひ茶席をもちたいと、話が纏まりました。今春想いを定め、茶人の道を歩み始めた中山qセ朗氏です。庭の片庇で初日10月4日1時から順次五席を設ける予定です。
   気負わずさらっと描いていると言う染付小瓶に惹かれました。今展には黒釉作品も加わり愉しみです。

   2023年10月4日(水)〜8日(日)
   12:30〜17:30 会期中無休 予約歓迎
   写真/田中幹人


-川口美術30周年記念-
伊藤明美 陶うつわ展

   伊藤さん自身の窯は、ずっと電気窯です。十余年前、まだまだこれでやれることがあり、追求してみたいと言われたことを思い出します。
   でも現在作品の主力は、薪窯作品です。隣町なる友人の上野焼薪窯に日参されている賜物です。
   韓国古陶磁の探求をベースに茶陶から茶籠など茶道具に拡がり、懐石の食器をも掘り下げてこられました。
   昨年は門司へ通い、仲間の備前焼作家の築窯に協力し、今春の初窯にも加わりました。その成果、備前花器を写真でお届け致します。
   表情のある花器です。背面には灰被りが紐状になって、縦に流れ、その両脇の灰色面は青備前を思わせます。焼成時間の長さが確かり積み上がり重厚な風格を感じます。
   今展には、粉引、三島など粉青の器が多く並びます。お愉しみ下さい。

   2023年9月13日(水)〜17日(日)
   12:30〜17:30 会期中無休 予約歓迎
   写真/備前花器H20.6cm 撮影/田中幹人


-川口美術30周年記念->韓古陶探求陶人展14
-川口美術30周年記念-
韓古陶探求陶人展14

   初参加の木村龍生さんは、当店の開業間もない頃に時々店を覗いて下さった陶人のお孫さんです。前回展の際、祖父の窯で父と二人で焼物をやっていますと自己紹介して頂き、その場でお誘いしました。そして、2010年初回展以来久々の再登場は、南伊豆に窯をもつ古松淳志さんです。メンバーの出入に活力を感じています。
   此展の作品出展の基本は、韓古陶探求に拘らず自由に今やりたいことをした結果を発表して頂く場として来ています。
   今回は30周年記念展として、参加自由の茶碗寄合棚とビアカップ寄合棚を設けます。それぞれの個性の違いをよりはっきりと見て頂けることと思います。併せてお楽しみ下さい。
   [出展者]古松淳志、タナカシゲオ、江頭龍介、伊藤明美、光藤 佐、松葉勇輝、鈴木大弓、菊池 克、土本訓寛、高木 剛、尾形アツシ、木村龍生(順不同)

   ※茶碗寄合棚に杉本貞光様の飛入出展あり。

   2023年8月4日(金)〜11日(金・祝)
   12:30〜17:30 予約優先 会期中無休
   写真/田中幹人


-川口美術30周年記念-水野悠祐木工展
-川口美術30周年記念-
田中孝明 楠彫刻展

   富山県井波のトモル工房として田中ご夫婦を紹介して以来、4年振りの開催であり、作品は全て楠彫刻で、造形は女性の像12体です。
   田中氏は言います。女性を彫っているのではなく、私の想いを彫っているのです。時に自然現象であったり、身近な家族の様子であったり自身の心の在りようなどを像(かたち)にした作品ですと
   十数年前、招かれてタイのローソク祭に参加し、言葉も不自由な中、現地のグループをリードし巨大な彫刻ローソクを制作し、寺院に奉納した体験が作品作りの根底にあります。同時に、悲しみ過ぎず&喜び過ぎず平らな心を目指すタイの人々の心情に触れ感動したことが大きかったと語ってくれました。
   田中氏のこの様な想いの作品とじっくり対話して頂ける環境を可能な限り追求してみたいと思います。
どうぞゆっくり時間をみてお越し下さい。

   2023年7月19日(水)〜7月23日(日)
   12:30〜17:30 予約優先 
   写真/作品「風」サイズH34.2cm 撮影/田中幹人


-川口美術30周年記念->水野悠祐木工展
-川口美術30周年記念-
水野悠祐木工展

   水野君の木工はフリーハンドです。整っていないが、穏やかな姿でつい手に取って見たくなります。
   楕円のお盆を取り上げてみると四隅がある様でもあり名付けが難しいです。表面の彫りが一方向でなく、少ない単位で方向が変わります。その幅や長さも違います。端に近づくと緩やかに反り上がっています。縁は4〜7mm厚に彫られていて裏面に続きます。そこには低い高台が彫りだされており、確り安定させています。使い勝手が良く長年私が愛用しているお盆のことです。
   前回展では朝鮮時代の茶床にヒントを得た低盤が紹介され人気でした。今展では脚が高い盤が紹介されています。小振りの1人膳サイズで、色々使えそうです。少し深めに彫り込んだ盆が魅力です。人気の長方トレイや小皿、角皿類も豊富です。地元池尾杉大皿も注目です。是非ご高覧下さい。
   十回目の個展であり、縁ある川口美術30周年記念展でそのスタートを切る決意をし、制作に励んでいます。

   2023年4月12日(水)〜16日(日)
   12:30〜17:30 予約優先
   写真/菩薩手 撮影/伊藤 信


-川口美術30周年記念->骨董チョガッポ展
-川口美術30周年記念-
骨董チョガッポ展

   骨董月刊誌「目の眼」の取材でお越し頂いた文人澤田瞳子様にチョガッポをお目に掛けたところ、今春4月号美の仕事コーナーで素敵にご紹介下さいました。2020年夏以来延び延びになって居りましたチョガッポ展を今こそ開催させて頂きます。
   チョガッポは小さな端布をも大切にした朝鮮時代女性のアンバン(内房)文化の粋と言えるものだと思います。
   ポジャギ(風呂敷類)の中で一番大きいサイズはイプルポ (蒲団風呂敷)です。蒲団を包むには150糎角位は必要なので、反物をそのまま縫い付けたものが多いのですが、中にチョガッポで大作に挑んだ方が居られました。写真がその一つであり、その上これは、世代を超えて使い続けられた珍しいものです。
   家族へ、そして布への慈愛に満ちたチョガッポを約50点ご用意して皆様のお越しをお待ち致します。

   川口慈郎

   2023年6月14日(水)〜18日(日)
   12:30〜17:30 予約優先 会期中無休
   写真/チョガッポのイプルポ152×146cm 撮影/久保田康夫


-川口美術30周年記念->全日根回顧展
-川口美術30周年記念-
全日根回顧展

   今秋11月に13回忌を迎えます。想い返せばあの時は突然の旅立ちで、工房には沢山の遺作が残されていて、圧倒されました。
   奥さんから一つでも多くの作品をお客様に持って頂くことが故人の願いだとお聞きし、その後十余年、力を尽して遺作展を開いて参りました。
   生前からの顧客に加え、没後に作品に出合ったお客様も多く、回を重ねて尚、ご愛顧頂いていることに奥さんも感謝されて居り、此度は希少な俑も出展頂きました。
   全さんは限りなく多彩な作品を手掛けており、敢えて手の掛る蓋物にも積極的に取り組み、水指、土瓶、蓋物、香合など蓋作りに熱心であったことを感じて頂ければ幸いです。
   没後初の遺作展に倣い今年は2週間規模で、総括的な回顧展を目指します。皆様にじっくり全日根を偲んで頂ける様願って居ります。

   2023年5月24日(水)〜6月4日(日)
   12:30〜17:30 定休日/29日(月)30日(火)
   写真/田中幹人


第三回 さつき工人展
第三回 さつき工人展

   自然を大切にし平和を希求する女性主導社会を目指して、今回から「二十日」と「川口美術」の2店共催、2会場で此展を開催致します。
   今年の参加者は、陶人、木漆工の他、ガラス工の方に新参加頂きました。2会場は糺の森を通って徒歩約10分の近い所です。川口美術裏庭では、今年も暢子&ラファエル夫妻の座談会の日を設けます。他の日には、在廊工人や主旨賛同者との交流やお話しの場を設けたいと思います。是非行き来して下さい。      川口美術店主 川口慈郎

   さつき工人展のテーマ「女性主導社会を目指す」とはどういうことだろう、と考えました。どんな立場の人でも、理不尽なことや困難な状況に出会ったとき自分で社会の仕組みを変えればいい、そう思えることが最初の一歩ではないでしょうか。自分のいつもの場所から何ができるのかを想像し、皆さんとお話しすることが私の第一歩になればと思います。     二十日店主 栗山葉子

   [賛同出展者]牧由加里、川地 遥、登根 円、朝倉玲奈、田中早苗(木漆工5名)濱比嘉詩子、山極千真沙、室田志保、長谷川奈津、森岡由利子、李明恵、竹本ゆき子、畠田光枝、水垣千悦(陶人9名)荒木桜子(ガラス工人)

   2023年5月1日(月)〜5日(金)12:30〜17:30
   写真/田中幹人 ※予約優先

   骨董&ギャラリー
   川口美術
   〒606-0801
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   北欧と日本の古いもの 編み組み ほか
   二十日
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   京都府京都市左京区下鴨森本町13-6
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-川口美術30周年記念->第十回菊池 克陶迦葉展
-川口美術30周年記念-
第十回 菊池 克陶迦葉展

   『千手悲願』佛手は9年前の文房具展に筆架として出展して以来、折にふれ制作してきた、なじみのアイテムでありますが、昨年、三十三間堂の千手観音坐像、千手観音立像千一体を拝観して感動しました。
   掌の中にある眼に心打たれ、その眼が衆生を見守り、そして救済する手だと聞き得心しました。
   此度、新ためて千手の菩薩手を作ることを目指したいと思います。
   十回目の個展であり、縁ある川口美術30周年記念展でそのスタートを切る決意をし、制作に励んでいます。
   悩みや苦しみ、自信が無くなった時の拠り所である懐中仏のような存在になればと思い、菩薩手に没頭しています。
   春寒の工房でふと吾にかえり、千手が持たれていたアレコレを想い出し、手拈りしたりしています。暖春の頃、会場で皆様にお会い出来るのを楽しみにしています。
   菊池 克

   2023年4月12日(水)〜16日(日)
   12:30〜17:30 予約優先
   写真/菩薩手 撮影/伊藤 信


-川口美術30周年記念-伊藤祐嗣金工花器展
-川口美術30周年記念-
伊藤祐嗣金工花器展

   30年前にイタリア留学から帰国後の第一作は花器だったと聞いて驚きました。留学中に訪れたギリシアの細長い壺が忘れられず、自身の工房でそのイメージを掛け花生けに仕上げたのだそうです。
   以前当店で観た朝鮮時代の朱塗り手燭から着想を得た手燭花器は、装飾と実用の絶妙なバランスが大変人気です。
   30年前に千葉と京都で、奇しくも駆け出し時に、花器に取り組んでいた縁を想い、旧作を含め四十数点の花生けを展示致します。
   京都で出会った煎茶に導かれた茶托やそのアレンジとして菓子皿など多様皿も楽しく叩き出していますと便りが届いています。
   正倉院前所長西川明彦様が親友伊藤氏の金工展にお越しの機会に舎廊房隅で、講話会をして頂ける事になり有難く思っております。
   30周年記念展をお楽しみ下さい。
   ※22日(水)には2階奥、舎廊房隅で大西眞紀子様の煎茶席をご用意させて頂きます。

   2023年3月21日(火・祝)〜26日(日)
   12:30〜17:30 予約優先 会期中無休


-川口美術30周年記念-光藤 佐 陶展
-川口美術30周年記念-
光藤 佐 陶展

   3年振り3回目の個展です。初回展で独特の深海瑠璃釉を編み出した人として紹介しました。
   今回、窯・工房を訪ねてみると、淡いグレーの小瓶が目に止まり、これが瑠璃釉系の深化した作品と聞き驚きました。
   その側に淡いピンクの小瓶があり、尋ねると、辰砂系の焼物とのこと、これもまた更なる探究の賜でした。光藤氏のとどまることのない探求心に感服したと同時に、2点に共通するこの淡さこそが氏の一つの到達点ではないかと思えたのでした。
   一方で怪獣を飽くことなく作り続けている不思議さが、作品魅力の幅広さ奥深さに通じるのだなと腑に落ちました。
   定評のある食器をはじめ多彩な作品が会場に並びます。どうぞお愉しみ下さい。

   2023年3月1日(水)〜5日(日)
   12:30〜17:30 予約優先 会期中無休


-川口美術開業30周年記念-笹山芳人七十碗展
-川口美術開業30周年記念-
笹山芳人七十碗展

   伊賀にいる陶人が、こちらを紹介して欲しいと言っているがどうだろう?と故全日根氏から問われー良いですよ。来年が10周年になるので丁度良いですと応えたことを想い出します。それ以降、彼の口から他の陶人のことを聞いたことはありませんでした。茶碗に呆気ている笹山氏が、特別だったのかなと想います。
   あの頃から20年が経ちました。個展と夏の陶人展、春秋の京都訪問もあり年に数回位の付き合いを続けてきました。 笹山氏が古稀を迎えた節目の年に当たり、各種茶垸、小服茶碗、旅茶碗を七十碗選び展示します。 半泥子への憧れから陶の道に入り約50年の陶人生を掛けてきた笹山氏の碗をたっぷりとご覧下さい。
   会期中18日(土)二階舎廊房隅にて、岩井敏子様亭主でお茶会を開催します。お気に召したお茶碗でお愉しみください。

2023年2月15日(水)〜19日(日)
12:30〜17:30 予約優先 会期中無休

写真/黄イラボ 伊賀 引出し黒  撮影/田中幹人


-川口美術30周年記念-韓国古代土器展
-川口美術30周年記念-
韓国古代土器展

   30年前、花好きだった亡き妻と二人で、この店を始めた時のコンセプトが新羅土器を花生に!でした。今も土器と花生は当店の心棒です。
   開業前後に韓国古代土器研究者から、私共が蒐めている土器に伽耶土器が含まれていることや、その前年に京博で伽耶文化展が開催されていたことも教わりました。その後私も伽耶地域の博物館で、伽耶土器の盛んだった姿に触れ圧倒されました。
   30年が経って昨年は千葉の博物館で伽耶展が開かれ、今年は福岡でも開催されます。韓国の古墳発掘調査が格段に進み、古代東アジアにおける伽耶の存在の大きさが一段と明らかになってきています。
   今後、日本の古墳発掘調査の進展によって、どの様な歴史が解明されるか注目したいと思います。
   今展では、伽耶土器を中心に新羅、百済、高句麗の土器と高麗土器も含め約50点を並べさせて頂きます。どうぞお越しを。

2023年2月8日(水)〜19日(日)
12:30〜17:30 予約優先 定休/月・火曜

写真/伽耶台付長頸壷


-川口美術30周年-土本 訓寛 久美子陶展
-川口美術30周年記念-
土本 訓寛 久美子陶展

   期待にお応えし開催します土本夫妻の初個展です。その工房は越前焼古窯跡の隣接地、越前町の丘陵地にあり、窯裏の傾斜地から陶土が採れると言う恵まれた地の利を得ておられます。
   陶の成形→絵付→焼成で、中間の絵付が久美子さん担当なのですが、彼等の場合、流れ作業とはかなり違って聞こえました。
   新工夫を加えた成形品が投げかけられる。意外な所に絵付されて焼成に回ってくる−こんなキャッチボールが時々されているらしく、それを楽しんでいる風で、現代の夫婦を感じ、ここが芯だと思えました。
   完成度など関わりなく、お二人が作られるものはどの作品も不思議と人を惹きつける雰囲気を持っている訳が解った気がしました。
   焼締象嵌なるジャンルは、まさにこの夫婦特有の作品群であり、蓮弁皿などその代表作品かと思います。
   中国茶から煎茶に幅を拡げ茶器類が並びます。お愉しみ下さい。

2023年1月25日(木)〜29日(日)
12:30〜17:30 ※予約優先 会期中無休

写真/象嵌茶壺など2点  撮影/田中幹人


-川口美術30周年-松葉 勇輝 初薪窯展
-川口美術30周年-
松葉 勇輝 初薪窯展

   付き合いが始まった頃は灯油窯でした。作品の多様化を図る中で薪併用灯油窯に変化し 、その後炭窯に取組みました。炭窯を組み替え大型化して大きいモノを焼く様になりまし た。
   ふるさと科長に腰を据えると想いを定め、この一年薪窯築窯、初窯と一連の充実した一年を過ごしました。その果実を2023年松の内に皆様にご披露致します。
   初回以来松葉展は、小品ながら多種多様で出展数の多さが際立っていました。
今展は薪窯作品を中心に据えて居りますが、従来ご好評頂いて居る多彩な作品も深化させて出展します。
   料理皿、深皿、鉢、小花生、掛花生、井戸手碗、長石釉碗、白磁耳杯、瑠璃高杯、須恵角杯、自然釉扁壷、俵壷、小経筒、灰陶印文杯など好品が並びます。

2023年1月5日(木)〜9日(月・祝)
12:30〜17:30 ※予約優先 会期中無休

写真/田中幹人


謹賀新年
謹賀新年

   人の流れが予測し難い時代ながら、工人の弛まぬ努力が実り、かなりの成果をあげ、特化、深化が上手く噛み合って格段に伸びた催事もあり喜びました。
   昨秋、骨董・古美術月刊誌「目の眼」十一月号の連載
   「美の仕事」に朝鮮半島の土器や朝鮮家具を扱う韓国骨董の店として取上げられ、澤田瞳子様の素敵な文章でご紹介頂き感動しました。
   本年はお陰様で開店三十周年を迎えます。
お待ち頂いた骨董催事を二・三回催すつもりです。現代工芸催事もそれぞれ練り上げ充実を図ります。
自然を大切にする女性主導社会を目指す「さつき工人展」も深め拡めたいと思います。フィンランドを学ぶことも。
   引続き府立植物園を守る運動を応援して参ります。
   新年が明るい未来に繋がりますよう願っています。

二〇二三年元旦

川口美術 川口慈郎


第六回我谷盆賛
第六回 我谷盆賛

   新しい発想で名菓洲濱屋を引き継ぎ、再興している若い女性がいるとは話に聞いていたが、未だ訪ねたことがなかった。そんな時、知人のお嬢さんがその人だと聞き、近くに行った折早速に寄せて頂いた。
   その店頭カウンターで、思いがけず、割木仕立て小振りの我谷盆に出会って、さすが!と感動しました。
   黒田辰秋氏が、伝統を継いだ我谷盆が続々と「生まれてくる」と書かれた1960年代から数十年を経た今、京都の名店店頭で我谷盆が「使われている」と言う時代に入ったことは、素晴らしく、凄いことだと思います。
   我谷盆賛に集われる作り手、選び手の皆様に敬意を表します。
   この輪が、更に拡がり続けますよう祈ります。

2022年12月7日(水)〜11日(日)
12:30〜17:30 会期中無休 予約優先

写真/田中幹人


川地 遥 木漆工展
杉本 玄覚貞光 陶展

   黒茶盌が個展用に届きました。以前、類似の盌を見せて頂いた時、黒楽ですねと尋ねたら「楽は楽家の茶碗の名だから、私どもは黒とのみ呼んで居ります」と返ってきました。言葉を大切にし、筋を通して居られる方だと得心しました。
   黒楽のどの名品の類だとか言うのでなく、茶盌を追求された結果の黒茶盌がここにあります。じっくりご覧頂きますようご案内申し上げます。杉本氏は毎年会期中ほぼ在廊して頂いております。お話しもお聞き頂けるかと。
   昨年の個展の際、壁に配していただいた氏の杉板画が心に響いたので、多くの皆様にご覧頂きたく今年も飾らせて頂きます。
   例年にならい色々使い廻せる食器類も、新しい工夫も加えて並びます。見立てでお楽しみ頂きます様おすすめ申し上げます。

2022年11月23日(水・祝)〜27日(日)
12:30〜17:30 会期中無休 予約優先


舎廊房隅
‐ 九州うきはから ‐
高木 剛 陶展

   うきはの窯は穴窯です。窯焚きは4回ですが、窯内の場処により火の巡りが大きく違います。だから何処で何を焼くか、此処で何が焼けるか考えねばなりません。それに対処出来る様、色々の焼種の作品も用意しているのですが、窯詰は結構大変ですーと言いながら、薪窯で焚ける喜びが勝り、それも楽しんでいる様なウキウキした話しぶりでした。
   白磁花器は定番になってきましたが、時々の瓶を見ていると回を追って、技も釉も焼きも進化し、常に新鮮です。
   このところ灰釉で塩笥碗に力点がありましたが、今回は御本茶碗が届きました。じっくり取り組み一歩一歩進んできて茶碗の登場になった着実さに敬意を表します。
   個展迄にもうひと窯焚き上げ、最新作をお目に掛けたいと励んでいる高木剛氏の作品にご期待下さい。

2022年10月12日(水)〜16日(日)
12:30〜17:30 ※予約優先 会期中無休

写真/白磁花器W12.4cm×H19.6cm 撮影/田中 幹人


-茶籠を組んで野山に遊ぼう-伊藤 明美 陶展
-茶籠を組んで野山に遊ぼう-
伊藤 明美 陶展

   伊藤さんがミホミュージアムの帰りに立ち寄ってくれ、秋の個展に向けて、もうひとつ茶籠を組んでますと、目を輝かせて話してくれました。
   彼女が茶籠を組む時は、サイズが合うものを自作することに重点があります。作り手でない人は合うサイズのものを探さねばならず、時間と精力が要ります。今展では、伊藤さんにそんな相談に乗ってもらおうと思います。あと一つここに入る○○が欲しいと思っている方、どうぞお越し下さい。展示の替え茶器の中に、お探しのものが見つかることも。
   茶籠を組んで野山に出掛ける... 息がつまりそうな現状から解放される一つの道ではないでしようか。
   懐石の器への取組みも5年前に発表されて以来、毎回テーマの一つとして提案し続けてこられました。更に練り上げた作品が並ぶものと期待しています。お愉しみ下さい。

2022年9月21日(水)〜25日(日)
12:30〜17:30 ※予約優先 会期中無休

写真/田中幹人


川地 遥 木漆工展
川地 遥 木漆工展

   5年続いている我谷盆賛に連続参加されて居り、茶飲み話の中で、さつき工人展誕生のきっかけを作って頂き有難く思ています。
   どちらの展覧会でも発信力ある作品が注目されていましたが、今展では、近年取り組んでこられた書をテーマの作品を配して頂きました。核心になるのが刳字であり、刳書です。ご自身が筆で書いた文字を刳り出した作品です。
   川地さん曰く、常日頃彫っていて木は堅いと感じていました。それを柔らかく現したいと思い、筆文字に取り組み、書の流れ、筆のスピードを木に写し取ることを試みましたと。
   作品は多様です。酒器、盆、鉢、器台、皿、茶椀など、暮らしの場面で活きるもの、そこで光るものを心掛けられています。
初秋の候、川地遥さんの想いを是非ご覧いただきたく。

12:30〜17:30 予約優先 会期中無休

写真/田中幹人


韓古陶探求陶人展 13
韓古陶探求陶人展 13

   私共が骨董屋として最初に手掛けたのが新羅土器であり、展示台を兼ね朝鮮家具を加えたことで、当店の韓国骨董のフレームが期せずして出来上がっていたのでした。
   ご来店頂くお客さまの中に韓国古陶を探求されている方が徐々に増え、又個展をして頂いている作り手たちも共通性を持って居り、一堂に会して頂く機会として韓国古陶磁探求陶人展を2010年寅年にスタートさせました。
   以来毎年夏の催事として親しまれ、ここ2年はかなり厳しい状況もありましたが、皆様の熱意に支えられ、途切れず続けて参りました。
   巡り来た寅年、人々の生活や社会が大きく変貌し、世界が不測の状況にある中、展名を表記に改称し、変化対応の足掛りとします。

   [出展者]  笹山 芳人 市川  孝 水垣 千悦 伊藤 明美
   菊池  克 高木  剛 江頭 龍介 松葉 勇輝
   鈴木大弓 光藤  佐 尾形 アツシ 土本 訓寛 (順不同)

2022年8月4日(木)~11日(木・祝)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中 幹人


タナカ シゲオ 陶展
タナカ シゲオ 陶展

   近年軟陶に惹かれ、穴窯と倒炎式薪窯それぞれの特徴を生かし、各種軟陶を作ってこられました。
   なかでも目指してきたデルフト白釉が、倒炎式薪窯で焼きあがり注器、碗、鉢、瓶等の作品を此展で披露頂きます。
   昨年の中国、メキシコでのギャラリー集合展への参加を経て、今秋は台湾台北市のギャラリーに招かれ個展を開催されると聞きました。独立独歩で歩んできた氏が、愈々国際陶芸界へ、歩を進めてこられました。期待を込めてお見守り頂きたいと思います。
   勿論、蹴ロクロ、タタラの技を使いこなした、氏のベーシックな焼物、堅手やオンギ等の食器も今展に多数並びます。田中氏も全日在廊し、皆様のお越しをお待ちします。 町は祇園祭の季節、どうぞお越しを。

2022年7月13日(水)~17日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中 幹人


櫻田武士 木工展
櫻田武士 木工展

   自然と文化が豊かなこの地で取り組んできたものづくり。揺るぎない伝統と、絶えず新しさを求める気風がこの町にあるように思います。ここで学んだ私なりの作品の一端を集め個展を開きます。
   此度の機会をいただいた川口さんには独立間もない頃からお仕事の依頼をいただき、また韓国骨董や現代工人の作品世界などいくつもの示唆をいただきました。時代や国は違っても、同じ木を素材としたものづくりに惹かれた点がご縁となったように感じています。
   晴れ渡った夏空を前の、雨宿りの季節、節目の作品展です。 櫻田武士
   親しくお付合いしてきた同氏木工展を開催します。お越しをお待ちして居ます。

2022年6月22日(水)~26日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/楢飾棚W84×D31.5×H72cm 撮影/田中幹人


故全日根 絵画・造形展
故全日根 絵画・造形展

   画家志望だった若き全さんは、本格的に作陶を始めるに際し、沖縄・九州の窯場を巡って陶の芯を学んだと聞いています。その旅の中で沖縄の風景は強く印象に残ったようで帰郷後、油絵に描き残しています。絵筆をおく記念だったのでしょうか。
   ですが、その絵ごころは終生変わらず、彼の陶作品は一貫して絵画性に満ち満ちています。ある時期造形性に傾斜したことがあり、ちょっと違った印象を受ける陶の一群がありました。今展ではそれらを中心に展示紹介させて頂きます。
   造形的な花器、形も大きさも様々です。陶板一つ一つ全く異なる絵付けがされており、同一人物の作かと驚かされます。野性的な土瓶もあり綺麗に描かれた陶筺もあり、酒脱な色絵水指や南国風赤絵茶碗に、食器類も並びます。一味違った全さんワールドをお楽しみ頂きます様ご案内いたします。

2022年5月25日(水)~29日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人


第二回さつき工人展
第二回 さつき工人展

   自然を大切にする女性主導社会を目指して、此展を開催します。
   目指す社会のイメージモデルとしたフィンランドは北極に近く、厳しい自然と調和を図りつつ今、若者と女性の活躍が際立っています。
   今回裏庭では、ゲストに彼ノ国出身、京都在住2年目のラファエル&暢子リンナンコスキ夫妻をお招きし、毎日茶話会を開催します。
   フィンランド人の根底にあるサウナ文化、自然、出産、若者、建築、教育、政治など、さまざまな切り口からフィンランド社会と日本社会を、さらには、これからの日本社会の在り方についても想いを巡らせます。
   お茶を飲みながら、一緒にゆるりとお話しませんか。
   工人展会場を二階にも拡げ、個性が確り現れ、バラエティ豊かな作品を展示させて頂きます。お愉しみ下さい。
   [賛同出展者]長谷川奈津、竹本ゆき子、原菜央、伊藤明美、畠田光枝、山極千真沙、土本久美子、濱比嘉詩子、室田志保、森岡由利子(陶人10名)登根 円、朝倉玲奈、牧由加里、川地 遥(木漆工4名)

2022年5月1日(日)〜5日(木)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/津久井 珠美


第三回菊池克文房具展
第三回 菊池克 文房具展

   12年前、当店陶人展への初参加に際し、菊池氏が水滴を出展していた事に注目し、個展二回目でいきなり文房具展を持ちかけたのは、いささか無謀な提案をしていたのだと、振り返って思います。されど栴檀の双葉の如く、氏が当初より文人の気風を持っていたので、前向きに話が進んだのだと思います。
   10年が経ち、個性ある文房具が幅も厚みも増し充実したのを感じます。今でも本人はそう思っていないかも知れませんが、言うなれば、彼は在野の文人だと私は思います。だからこそ、通じる心を持った方々と自由にお付き合いが出来ているように見受けます。
   氏は会期中、全日在廊しています。書花などお愉しみの方は是非お越し頂きます様ご案内申上げます。
   そこはかと文化を感じる食器類も健在です。深めてきた牛涎文も馴染んでいます。充実の菊池展をお愉しみ下さい。

2022年4月13日(水)〜17日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休


伊藤祐嗣
伊藤祐嗣 金工展

   やっと今年は花見ができそうです。手燭花器など増やします。23日からの会期を望みます---と。 そうですね。折角、春分を越えた時期に会期を設定したのだから、オミクロン株の波も鎮まり、心おきなく川畔の桜をめでる時が持てるよう祈念します。
   昨春個展お別れの頃、硯屏に仕立てたいと全日根の陶盤片を見せたところ、千葉の工房に持ち帰り、すぐに取り組み素早く仕上げてくれました。それでいて隅々まで行き届いた構造で、素晴らしい出来栄えの台座でした。
   常々、氏が創りだす作品の品格ある美しさに敬服していましたが、他者の作品を生かす力も持ち合わせている人だと知りました。
   その展開で、当店の骨董品にも生かして欲しいものがあり、制作を依頼しました。今展でコーナーを設け、成果を展示させて頂きます。
   広くて深い伊藤氏の金工世界をお愉しみ下さい。

2022年3月23日(水)〜27日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人


水野悠祐 木工展
水野 悠祐 木工展

   もう数年前になります。お客様が笹山展の信楽片口を水指に見立てて下さり、塗りではない蓋が合いそうなどと話していた時、水野君が丁度来合わせており、蓋作りを依頼しました。それが縁で当店25周年韓国骨董茶器展の水指蓋作り数件担当して頂きました。
   その後、催事他で当店に足を運んでもらっており、韓国骨董に触れる機会が増え、目に馴染んできたそうで、このDM写真の小盤など、まさにそうかと思います。これを作る時ラフスケッチのみで設計図は描かず作りました--と聞いて、形が似てるとかではなく、この人の製作姿勢こそが朝鮮木工に通底しているのだと腑に落ちました。
   一昨年春に個展を計画しましたが、コロナ禍緊急事態により中止延期となっておりました。此度再チャレンジ頂き、一つひとつ丁寧に作られた多種の作品が出展されます。ご期待ご来店下さい。
   当店は通年予約営業とさせて頂いております。メール(又はTEL)でご予約賜りますようお願い致します。

2022年3月2日(水)〜6日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/小盤W45×D25×H14cm 撮影/田中幹人


笹山芳人・生子
笹山 芳人・生子展

   こゝ十数年余、笹山氏個展の搬入や搬出には、必ずお二人でお越し頂いており、近年は春秋の好季に、折にふれお揃いで顔を見せて頂き、一緒に珈琲店へ行くのが慣わしになっていました。
   その在り様のまゝの展覧会がしてみたくなり、此展を企画しました。
   生子(のりこ)さんから届いた絵には「素描が好きで、日々目にするものをメモしている感じです。」と添えられていました。彼女に壁面を委ねることで、全く新しい展になる予感がします。
   芳人氏は、今年もビードロ系の伊賀壺をはじめ花器、ぐい呑の力作が並びます。勿論半泥子ファンとして茶?は存在感を示しています。
   お二人の作品を別々に見ていると、対極の作品に思えましたが、カメラアングルを通して打ち合わせていると、不思議な調和が見え、やはりご夫婦の作品なのだと納得しました。是非ご覧下さい。
   当店は通年予約営業をさせて頂きます。メール(又はtel)でご予約下さい。

2022年2月9日(水)〜13日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人


科長窯
第一回 科長窯
松葉 勇輝展

   南河内の太子町内に松葉君の生家があり、現在の住まいは交野市ながら、薪窯を構想するに当たり、作陶生活の重心を生まれ育った地におくと心に決められました。
   彼の地は、飛鳥時代に海外への玄関堺港と飛鳥の都を結ぶ道・竹内街道沿の集落であり、竹内峠西麓の科長と呼ばれる邑里です。時代が大きく動く今、新たな作陶生活に向かう彼の決心の一助になればと、窯名命名の役を受けさせて頂きました。
   当店川口美術で既に5回の個展を催し、初回から多くの方の注目を集め、回を追って確実にステップアップしてこられ、更なる高みに向けての中締めに位置づけられ、細網印文土器など、松葉君の未来の芽がいっぱい詰まった科長窯展になると思います。ご期待下さい。
   当店は予約制により、皆様に心穏やかに作品をお選び頂ける環境を保って参ります。ご予約はメール(又はTEL)でお願い致します。

2022年1月19日(水)〜23日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人  花生/余島裕二


我谷盆賛
第五回
我谷盆賛

   韓国の朝鮮時代、庶民の住居は都市部でも多くがワラ、ヨシなどの草家でした。地方の山間部では、板屋、樹皮屋、石瓦屋などもあったと伝えられており、その板屋には樅の割り木が使われていたと記された写真資料があります。北陸の板屋もこんなだったのだろうかと想像します。
   此度の「我谷盆賛」は板屋の素材である栗の割り木を使って我谷盆が作られたと言う原点に帰り、「割り木」を使うことにされました。
   それはノミ跡が残っているとか、我谷盆風とかの技や形だけではない芯からの我谷盆を目指されたのだと受け止めました。きっと見応えのある展示になると思います。
   山々が色づく頃、皆様のお越しをお待ちしております。
   *密を避けて、ご来店にはメールでご予約賜ります様お願い致します。

2021年12月8日(水)〜12日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人


杉本玄覚
杉本 玄覚
貞光 展

   平時なら信楽から伊勢の海まで若者の如く車を飛ばし、毎日旺日を釣三昧で心身を開放されていると聞き、あきれ驚き憧れていたのですが、この一年半余コロナ禍で釣場近くの駐車場が全て閉鎖され、週七日自宅工房窯場で過ごさざるを得なかったと。
   作陶生活は意外と忙しく、試したいこと、研究したい事を先送りにしてきたので、これぞ良い機会と思いたち、釉薬の実験などに取り組んでこられたそうです。
   その成果として、斑釉を今展で披露していただきます。韓国骨董の中では、会寧壷や明川壷の釉を連想させてくれる釉薬です。
   杉本氏の巾広い作品の中から、茶?、ぐい呑、徳利、花瓶、塑像を数点宛出展頂き、加えて使い勝手のよい食器類も前回以上に充実させた上で、今回テーマの斑釉の各作品を展開して頂きます。初日23日に裏庭片庇で、斑釉茶席を設け岩井敏子様に担当して頂きます。
   コロナ禍につき、ご来店はメールでご予約お願い致します。

2021年11月23日(火・祝)〜28日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/斑釉茶? w14 cm ぐい呑 w9.2 cm 撮影/田中幹人


市川孝
第八回 市川孝
拵展

   市川氏の拵物には目をみはります。今展で紹介される「松ぼっくりでお湯を沸かす茶ンリン車」なるモノ。実は彼が子供の頃愛用していた三輪車が仲々の優れもので、いつか何かに使えないかと考えていたと言う---フム、物との関わり方が並はずれているから作れるのカナ。
   今回は野草茶から葉豆実茶(はずみちゃ)へと紹介させて頂きます。
   緑黄葉類の横にある半割竹皿には草の実や豆が並んでました。次々と豆や葉を焙煎し土鍋にお湯を足し煮茶する。エキスを掬えば香り高い葉豆実茶です。
   掬う洋白杓がまた市川流で絶妙です。手元のひねりを変えると左利き用にもなるし、茶漉し孔列が利き、たやすくお茶だけが掬えます。これも美事な拵物です。
   今展が、街の人混みを避け野に出て、葉豆実茶を愉しんで頂く、きっかけになればと願っています。
   コロナ禍につき、ご来店にはメールでご予約をお願い致します。

2021年10月13日(水)〜17日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人


伊藤 明美
伊藤 明美
陶展

   此作は唐津てづくね茶碗です。個展初期の頃は、茶碗に見立てられた朝鮮の塩笥を目指されていました。その後、塩笥の形は踏襲しつゝ茶碗として作陶する意識になってこられました。
   それを更に深め、行きつかれたのがてづくね茶碗でした。そしてこのことに深く関わっているのが、伊藤さんが時々口にされる光悦茶碗への憧れだと思います。
   塩笥茶碗、てづくね茶碗を味わいお愉しみ頂きたく、初日23日(木・秋分の日)に中山福太朗氏を招き、庭の片庇で茶席を設けます。
   此展では、茶碗各種の他、向付など食器や花器も並びます。伊藤さんが一品一品に拘って組み上げられた茶籠セットも並ぶ予定です。ご来店お待ち申し上げます。
   コロナ禍の折柄、ご来店予約をメールアドレスへお願いします。

2021年9月23日(木・祝)〜26日(日)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/唐津てづくね茶碗 W10.8×H8.4cm  撮影/田中幹人


第12回 韓国古陶磁探求陶人
第12回 韓国古陶磁探求陶人 展

   幼な子の育児に励んでいる方、新入学児童を見守っている方、転居新天地で家作りに明け暮れている方などなどそれぞれに家庭の事情も抱えておられるのですが、コロナ禍により籠る生活が続いた分陶人の皆さんには、ロクロや窯と対峙する機会が増え、充実した時を過ごされている様子を感じていました。
   この度、出展用作品を見せて頂き、それが確信に変わりました。
   今回の陶人展で、この間に練り上げてこられた作品が会場に展開され、それぞれの舞台で花開く様を是非お愉しみ頂きたいと思います。
   引き続き密を避け、予約優先とさせて頂きます。アドレスにご予約賜りますようお願い致します。
   [出展者]  松葉 勇輝 土本 訓寛 笹山 芳人 伊藤 明美 市川  孝 タナカ シゲオ 鈴木大弓 菊池  克 高木  剛 尾形 アツシ 光藤  佐 江頭 龍介 (順不同・敬称略)

2021年8月4日(水)〜11日(水)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/田中幹人


タナカ シゲオ
タナカ シゲオ
陶展

   今回、ここを正面にこの白瓷大壷をDM用に選んだタナカシゲオ君の感覚は、器作りから、アートの世界へ向かっているのだなと思いました。三年前、カタカナ名に変えた時、既に心底はそこに向いていたのだなと今思います。
   彼と話していると東京方面での展示会の話がよく出ます。東京で地歩を固めつつあるのを感じます。さらにコロナ禍にも拘らずメキシコシティ・中国杭州等外国のギャラリー展への参加も進んで居ります。グローバルなアート陶作家としての飛躍を想像しました。
   前回陶展の頃、取り組んでいた三島が粉引、堅手と並んで今回出展されます。「憧れの李朝をオマージュした、花器や食器の他、水滴、茶器、酒器を出展します」と豊富な品揃えを伝えて呉れています。
   明日香の薪窯で焼かれた作品にご期待下さい。
   予約制を続けます。下記アドレスへご予約下さい。電話でも承ります。

2021年7月14日(水)〜19日(月)
12:30〜17:30 ※予約制 会期中無休

写真/白瓷大壷 w40.2 × H37.5cm  撮影/田中幹人


高木剛 陶展―九州うきはから−
―九州うきはから−
高木剛 陶展

   待ちかねていた薪窯中心の高木 剛展を開催します。
   昨年春には九州福岡県へ家族ぐるみの転居は完了していたのですが、高木君はじっくり取組み、窯も数度は焚き納得のいく作品を出したいとの意向で今になりました。
   「灰釉の塩笥碗は以前暮らしていた京北町の土をブレンドして成形し、うきは市で新しく築窯した薪窯で焼成しました。」とメッセージが添えられていました。従来から作っていた形ながら心持ち大振りになり釉調に変化が見られ、工夫の跡を感じます。
   あくまでも日常使いの器にこだわり、たゆまなく作陶を続ける高木君の作品には、温もりを感じるとの声を聞きます。出来るなら直かにご覧頂きたいものです。
   緊急事態宣言下、先が見えず予約制を続けています。下記アドレスへご予約下さい。キワの電話でも結構です。よろしいお願いします。

2021年6月23日(水)〜6月27日(日)
12:30〜17:30 予約制 会期中無休

写真/塩笥碗 w 10.8cm,h 9cm  撮影/田中幹人


全日根  没後拾年展
全日根 没後拾年展

   一志町の居宅玄関の両脇軒下には、窯用レンガが数列積まれて居ります。なぜかその上に何点かの焼物が置かれており、右端近くに陶盤片も一ツ無造作に置かれていました。
   或る時、取り上げてみると、単なる陶片ではなく、壊れた陶盤の中に生かしたい部分があり、銘を入れて焼成したものと判別でき彼の確かな意志を感じていました。
   彼が何を意図したかは定かではありませんが、私なりに受け止め硯屏として生かすべく思案し、良き協力者を得て、此度、支台を添えてご紹介致します。
   彼の作品には、何らかの絵が描かれて居るものが多く、画家志望であった青年期の全日根が偲ばれます。その底に心の詩があったのだと思います。会場壁面に、彼の心の詩文、書画作品を飾ります。工房を訪れる度に拡がる、尽きぬ魅力をお伝えしたいと願っています。
   コロナ禍でご不自由をおかけしますが、ご都合折合いをつけ、お越し頂きます様お待ち申し上げます。

2021年5月26日(水)〜30日(日)
12:30〜17:30 予約優先 会期中無休

写真/陶盤硯屏 支台/金工 伊藤祐嗣  撮影/田中幹人


第一回 さつき工人展
第一回 さつき工人展

   私は今、自然を大切にする女性主導社会を目指すのが良いと思います。力重視の男社会ではなく、自然重視の社会が期待できる故です。
   人間も自然の内であり、自然の営みを大切にし、自然を敬愛し、自然環境を守り育て、自然の食を大切にし、人が人として生きられる社会を望んでいます。
   辺野古の美しい海が壊され続けています。福島原発の汚染廃棄物が刻々増え続けているのに、原発が止まりません。原爆被爆国が核禁止条約に調印できない。強国の外圧や大資本の財力や古くからの慣行など様々な力が社会に組み込まれ、ほぐせなくなっています。
   その男社会の行き詰まり状態から抜け出す一番の道は、自然重視の女性主導社会を、ためらわず目指すことだと思うのです。
   裏庭で趣旨等について話し合うミニ茶話会なども予定しています。
   趣旨に賛同し、各地から参加頂いた多彩な工人諸氏を紹介します。
[出展者] 森岡由利子 濱比嘉詩子 畠田光枝 土本久美子 水垣千悦
山極千真沙 伊藤明美 原菜央 竹本ゆき子 長谷川奈津 (陶人10名)
川地遥 牧由加里 田中早苗 朝倉玲奈 登根円 (木工人5名)

2021年5月1日(土)〜5日(水)
12:30〜17:30 会期中無休 予約優先
撮影/津久井珠美


菊池 克 陶迦葉展
=ウインドウ展=
菊池 克 陶迦葉展

   昨年の菊池展はコロナ感染者数が急上昇した第一波と重なり、直前急遽中止とさせて頂きました。その後、国中が巣ごもりで、身の周りの暮らしを強く意識する状況になり、菊池氏も「日々の暮らしの充実」を念頭に取り組んできたと言い、いきおい花生けに心が向かい、花器作りの機会が多くなったと話してくれました。
   都市部とはかなり違う、大分・国東半島山里の巣ごもりを最大限に活かし作陶全工程を丹念に確認し、なかでも釉薬の探求に専心したと言う彼の充実感が伝わってきました。
   関西の皆様に見て頂きたいと熱のこもった、久々の陶迦葉展です。食器・文具・酒器・花器に、この一年の多彩な成果を見せくれます。
   コロナ禍、京都の状況に明るさも見えますが、予断は許されません。ブログでの作品紹介・応答の充実をはかり、ご来店も下記アドレスへご予約をお願いしながら、状況に応じた運営をして参ります。
   ご理解、ご来店の程お願い致します。

2021年4月14日(水)〜18日(日)
12:30〜17:30 予約制 会期中無休
写真/黒釉線刻牛涎文瓶w12.3×h20cm 撮影/矢野智雄


お客様皆々様へ
今後の営業について

   新型コロナウイルスの感染拡大のニュースを見て、日夜考えておりました。それぞれの企画に経緯があり、思入れや作り手との積み上げもあり、迷ってました。
   京都府知事、京都市長から首都圏や阪神圏との往来自粛と外出自粛要請の声明が4月2日に出されました。
   山中伸弥教授のコロナ問題は大きな危険を孕んだ重大な問題であり、各人が主体的にコロナ対策をすることが大切だとの御説を聞き決心しました。
   4月「菊池 克 陶迦葉展」、5月「第一回 さつき陶人展」「木工 水野悠祐展」の催事を含め当面、催事企画は中止させていただきます。お客様、作り手の方々、残念ですがご了承下さい。
   恐縮ですが今後、川口美術は予約営業とさせて頂き、当分の間ご来店時はマスク着用をお願させて頂きます。
   私自身、コロナに罹らぬよう又うつさぬよう努めます。長期化が予想されております。無理せず平常心で乗り越えて参りたいと思います。
   またお会い出来る日が近いことをお祈りします。

※各展のDM写真の作品をお預かり致して居ります。
 ご希望の方は、お申し出下さい。

川口 美術
川口 慈郎


金工伊藤祐嗣陶展
金工 伊藤祐嗣 陶展

   伊藤さんが使われる素材は主に銅と真鍮です。銅には熱伝導が良い特徴があります。スペイン料理のパエリヤは、薄く広く伸ばして焼かれる料理なので専門の料理店では、火床の大きいコンロで焼き上げます。火床の小さい家庭のコンロで、それを可能にするのが伊藤さん得意の銅製パエリアパンです。
   今回は、春暖の裏庭にカセットコンロを持ち出して、パエリヤ作りを時に披露してもらいます。
   他にミルクパンやジャム鍋、湯豆腐鍋など専用化された鍋の他、両手鍋、片手鍋など汎用鍋も沢山並びます。例年の様々なボウルや掛け花生や茶托なども並びます。
   写真中央は真鍮の薬缶です。伊藤さんの作品は、いつもながら格調高く、銅の薬缶さえ、御殿仕様かと想いたくなる品格を感じます。これが使い込まれたらどんなになるのか見てみたい…などと思うのは骨董屋の性でしょうか。

2020年3月18日(水)〜22日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

撮影/田中幹人 写真/中央薬缶 H21.5cm×W21.5cm


タナカシゲオ陶展
タナカ シゲオ 陶展

   もともと井戸茶碗への憧れから陶の道にはいったタナカ氏です。いきおい朝鮮陶に拡がり、粉引・三島・刷毛目をはじめ、殆んどの写しを手掛けていた時期がありました。明日香に移る前、十年以上前のことです。
   このところ、しばらく手掛けてなかった三島に取組んでいると聞きました。しかも彫三島をやってますと…。当時とは、窯をはじめ諸々の条件が変っているのだし、きっとはじめて出合う三島なのだろうと、興味津々です。
   花器、碗、茶坏、酒坏など、全ての出展作品を、穴窯で焼き上げたいと当展に向けての意気込みを語って呉れました。あくまでも奥深さを追い求める氏の姿勢と受けとめ、大寒の中、ひたすら焼物に取り組む姿勢を想いました。楽しみに春を待ちます。
   初日26日(水)には、大西真紀子氏の茶席を設け、一歩進めた茶坏など氏の新作をお愉しみ頂きます。

2020年2月26日(水)〜3月1日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日


笹山芳人陶展
笹山 芳人 陶展

   伊賀丸柱の窯場で焼かれた大小三点の壺は、それぞれ色んな表情をしていますが、やっぱり土と薪なんですね。
   大壺は今年の正月、当店のショーウィンドでプレビューさせて頂きます。どうぞしたみにお越し下さい。手前のうずくまるは、何日窯の中で過ごしたのでしょう。自然釉が焼き重さなり重厚な小壷です。
   粉引鉄絵のプレートなど食器が並びます。笹山さんらしい、いつも変らぬ力強い花器も並びます。
   新しいモノやコトを追いかける世の時流を否定はしないが一線を画し、土を求め自分の手元に届いた土で、土に添って自分のやりたいことを確りとし続ける人です。
   生涯テーマの茶垸も土の性を見極めて各種の茶垸に仕上げて出展されます。会場の一角に、笹山さん見たての道具と氏の作品とで茶席を設け、皆様お待ちいたします。

2020年2月5日(水)〜9日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

写真/田中幹人


松葉勇輝陶展
松葉勇輝 陶展
−掛花生を中心に−

   初個展の時、小振りの器ばかり250〜260個並べる彼の発想にヒトツ道を徹底追及する熱い想いを感じたのを思い出します。
   器の大きさを制約した上で、ロクロから手びねり、たたら作りで多彩な形状を創り出し、焼種類も増やしてきました。
   サイズを掌から両掌へ歩を進めたのち、前回試みた掛花生を今回は中心に据えます。彼が目指すのは、岩肌や山芝の様に花が生きる花器であり、食器も料理が生きる器です。
   彼の着実な成長を支えているのは本人のたゆまぬ努力、工夫でありますが、もうひとつ見逃せないのが、彼と接する人達との交流です。注文であったり、感想や助言であったり、無言の示唆だったり、彼が素直に受け取り生かしていることにあると感じます。
   此度、会場全壁面に掛花生を展開し、花人余島裕二氏に、花を生けて頂きます。新春の会場でお待ちします。

2020年1月15日(水)〜19日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

写真/田中幹人


杉本玄覚貞光展
杉本 玄覚 貞光展

    工房は信楽の山中に在り、幹線道路から谷合の細道を数分走った山裾にあります。辺りは、到るところに椿と無窮花が植わっており、まるで椿林・無窮花林の中に居る様でした。
   お訪ねした晩夏には、名残の青八重の無窮花が鮮烈でした。
   1974年以降、大徳寺立花大亀老師が35年間毎月、窯出し茶盌を観に来られたとのこと。老師命名の寺垣外窯の重みを感じました。
   昨秋、当店25周年記念のメイン催事に、韓国古陶磁と対で、茶盌中心に出展して頂きました。以降も小規模ながら個展を継続して頂くことになり、此展は大胆に、料理用皿・鉢をメインに置いた展覧会とさせて頂きます。茶盌にわびさびを求められた如く、食器も、奇抜さハデさでなく、根底に流れる思想はわびさびです。
   会場には食器を囲むように茶器茶盌も並びます。どうぞ、新しい切口の杉本陶をお楽しみ下さい。ご来店をお待ちします。

2019年11月20日(水)〜24日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日


茶車市川孝展
茶車 市川孝展

   昨年の茶車展DM写真の茶車は、当店の必備品になりました。庭の片庇にぴったりで、なくてはならないモノとなっています。
   通してみると、市川氏は生きるテーマにお茶を据え、物づくりの中心に焼物を置きながら、木金土の素材を駆使する拵人(こしらえにん)と言えるかと思います。そう言う市川氏だからこそ生れた大輪の華であり、氏ならではの拵物が、茶車だと言えます。言い換えると茶車には市川氏の茶心がビッシリと詰め込まれて居るのです。
   ロケットストーブから発想した炉にはじまり、土瓶、茶海、茶壺、茶則・・・お茶を淹れる為の道具から、お茶を味わうに有用な器、お茶を楽しむ場作りに役立つ道具や設備まで、お茶にかかわる総てを作ろう、と工夫し殆どのモノを作ってしまう驚くべき人です。
   だから作品を買うとき、氏の話を聞きたくなり、聞くとアレもコレもと欲しくなるんでしょうね。お望みのモノが見つかることを願ってお越しをお待ち致します。

2019年10月9日(水)〜14日(月・祝)
12:30〜17:30 会期中無休


伊藤明美 陶展
伊藤明美 陶展

    伊藤明美さんが住んでいる田川市から、上野焼(アガノヤキ)窯元が車で20分程の所にあるそうです。
   昨年聞いた折は時々上野焼の友人の窯に通って薪窯作品を作っているとのことでしたが、昨日聞くと殆ど毎晩の様に車で上野に通って、焼物づくりに取組んで居る様です。驚きました。
   薪窯の焼物にとりつかれたと言うのでしょうか。上野窯の友人や焼物仲間の関係がよほど心地良いのでしょうか。
   伝統の上野焼は釉薬の多彩さに特徴があるそうで、色々やってみたい伊藤さんに似合う環境がありそうです。生き生きと夜なべで窯仕事や作陶をされている姿を思い、魅力ある作品が並ぶ展覧会を想います。
   上野薪窯にはまっている伊藤作品をお愉しみにお越し下さい。

2019年9月19日(木)〜23日(月・祝)
12:30〜17:30 会期中無休

写真/粉引扁壺 H13.5×W12cm 撮影/田中幹人


第十回 韓国古陶磁探求陶人展
第十回 韓国古陶磁探求陶人展

   以前、陶人の方が集まられた席で、陶人展に何かテーマがあってもいいとの声を聞いていましたが、今好きで作っているモノを出展して頂くのを陶人展の基本としてきたので、テーマを決めることに一寸ためらいがありました。が、参加メンバー一人一人を思い浮べてみると誰一人テーマを決めたからと云ってそれに縛られる様な人は居られません。きっと好きに対処されるだろうと思えました。
   第十回を期し、各人の展示スペースの他に、陶人の方々が自由に参加できる場として抹茶碗棚と豆皿・手塩皿棚の二ツの寄合棚を設けることに致します。
   どんな棚になるのかな?お抹茶の飲める場も要るかな?新しい試みの不安を感じながらも、ワクワクして企画を楽しんでいます。 皆様、新しい愉しみが加わった此展に是非お越し下さい。
   〔参加陶人〕菊池 克 高木 剛 松葉 勇輝 中西 申幸
 笹山 芳人 タナカ シゲオ 伊藤 明美 市川 孝

2019年8月7日(水)〜12日(月・振)
12:30〜17:30 会期中無休

写真/田中幹人


我谷盆賛 パート3
我谷盆賛 パート3

   森口さんの我谷盆への傾倒はとどまる所を知りません。
   我谷盆は生れ育った加賀石川県にこそ根付くべきだとして、風谷村に工房を構え、石川県下に我谷盆を拡めてこられました。地元での基盤を固めつつ、岐阜、奈良、京都…そして東京。今年は飛んで北海道と聞いていたら、もっと飛んでアメリカのミネソタ州迄我谷盆講習に行って来たんだと聞き、とうとう海外にも拡めてゆくのかと驚き感心しています。
   森口さんが言われるには、加賀には栗の木が群生していたから我谷盆の素材の基本は栗ですが、北海道やミネソタ州に栗はなく、彼の地特有の樹木があり、我谷盆の技法を生かした、彼地盆ができればよい…と。これは不昜流行の姿勢だと感じ入りました。此展は地元からの参加も増え、去年の5割増の出展者を得て、愈々盛大に我谷盆賛パート3を催します。ご来店お待致します。

2019年7月17日(水)〜21日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

写真/田中幹人
※川口美術は4月1日より、営業時間を12:30〜17:30に変更しました。


全日根 懐想陶展
楠木彫展
-トモル工房・田中孝明・早苗作品選-

   お客様の実家・四国西条市在の樹齢約250年の楠が伐採されることになり、お別れ旅行のお供をしたのが、五年前のことでした。その大木の枝を一部お譲り頂いた時、金継の依頼先・塗師早苗さんの夫君が木工の人だからとて、原木の保管をお願いしたところ、孝明さんは楠材で人形彫刻をされている方だと聞き、奇縁を感じました。
   機が熟し、原木から五体の人形が彫り出されるとの事。工房展を催し、このご縁とお二人を紹介させて頂くことにしました。
   工房のある富山南砺市井波は彫刻の町です。欄間、御輿や獅子頭の生産など、日本一の伝統木彫の街と聞いて居ります。その街に若い彫師と塗師の夫婦が移住し、街になじみながら、自分達の仕事を着実に積み上げている様子をお伝えできればと思います。
愛らしい人形の他、乾漆の菓子皿をはじめ漆の器も並びます。どうぞお楽しみにお越し下さい。

2019年6月12日(水)〜16日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

写真/田中幹人
※川口美術は4月1日より、営業時間を12:30〜17:30に変更しました。


全日根 懐想陶展
全日根 懐想陶展

   遅れ馳せ回業周年記念展として、此展をお届けします。 朝鮮時代の韓国には水道設備はなく、生きる為に多くの地域で水甕は各戸の必需品でした。冬の保存食キムチを漬ける甕器もまた必需品であり、かの時代の暮しに大甕はなくてはならぬモノでした。
   こう言うと、全さんには「そうですか。自分はただ、どこまで大きな壷が作れるか、やってみただけなんですヨ!」などと煙に巻かれたのだろうな…と懐かしく想い出されます。
   全さんの陶像は様式にとらわれない雰囲気の仏像・僧像です。芯を掴んでいるから、形は整っていなくても心に響くのだと思います。鉢類は絵画的で大振りです。花瓶、陶硯、水滴、茶碗もお目見えしますし、湯呑、蕎麦猪口や食器、酒器も相当に並びます。幸運もあって、かなり充実した品揃えの陶展になります。お楽しみに。
※5月25日(土)は、全日根碗を世に拡めた福太朗氏の茶席を裏庭片庇に設けます。

2019年5月22日(水)〜26日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

写真/大甕 H72×φ62cm    撮影/田中幹人
※川口美術は4月1日より、営業時間を12:30〜17:30に変更しました。


高木剛 陶展
高木剛 陶展

   高木君の生まれは鹿児島です。数年前、帰省からの道すがら立寄った福岡県南部うきは市の風土が気に入り、この地を将来の工房の地と心に決め、土地を確保しました。
   家族も増えた今、暮らしの場を人里にもとめ、工房を山林内に建設する職住分離方式で移住に向け動き出しました。
   今回が京北工房から出展する区切りの個展になる予定です。京都の北端の地に今あることをかみしめながら、料理小鉢をひと工夫しました。日本民藝館の朝鮮白瓷展で想を得たものです。
   生活を大きく変える時も、作陶は常と変わらぬペースで進める積りです。灯油窯の粉引や三島に、薪窯の焼締急須や酒器、灰釉食器などに、茶器、花器を加えて、会場を盛り上げ、皆様のお越しをお待ちします。
※4月6日(土)は庭の片庇於大西眞紀子さんに桜茶で観桜茶席を設けて頂きます。

2019年5月22日(水)〜26日(日)
12:30〜17:30 定休日/月・火曜日

写真/大甕 H72×φ62cm    撮影/田中幹人
※川口美術は4月1日より、営業時間を12:30〜17:30に変更しました。


開業25周年記念催事 菊池 克 陶迦葉展
開業25周年記念催事 菊池 克 陶迦葉展

   菊池氏は求道者です。近年、東京他の展覧会が好評で充実した一年を多忙に過ごした様ですが、師走から正月を悩みの中で過ごしたと聞きました。
   調子のよい時は、体調をこわさぬ範囲で、流れに乗ってゆけば…と思うのですがそうもゆかぬらしく、今年は今年でより高い菊池陶を披露したいと苦闘していると受け止めました。
   国東半島は何も無いと云う言葉とは裏腹に、四季豊かな大自然の恵みの中、焼き物三昧の暮らしは年を重ねる毎に深みを増し、充実して仕事に取り組めているのではと思います。
   菊池氏の手になれば、食器・酒器も、文具・花器・茶器も全てが、大地の香と文人の気がとけ合い調和して、菊池陶になるのです。
   推察ですが仏弟子の様に菊池氏は今日も高みを求めて、迷いながら探りながら、土を拈っているのだと思います。陶迦葉展、ご期待下さい。

2019年3月20日(水)〜24(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日

写真/田中幹人
※4月1日より川口美術は営業時間を12:30〜17:30に変更します。


開業25周年記念催事 笹山 芳人 茶碗展
開業25周年記念催事 タナカ シゲオ 陶展

   タナカ氏は粉引を良くします。 粉引に向く土が見つかればそれに取り組みます。彼の粉引汲出を10年以上も当店で使っているのですが、味良く育ち人気があります。
   ところが主に天然土を仕訳して使っている為、10年前にあったと同様の土がなかなか手に入らぬのだそうで、今回はどうかな?と、 その登場を心待ちしているのです。
   今年は茶盌に力がはいっています。青井戸、黒釉、無地刷毛目などの茶盌が並びます。サビた景色の茶盌が目につきます。
    彼の焼物は総じてサビています。焼種に、土器やオンギが多くなるのも、彼が純粋な心で、ものの奥深さを求めている結果なのだと思います。是非味わって頂ます様お願いします。
   そんななかにあって、新工夫の翡翠白瓷や茜象嵌の食器や花器が展覧会を彩り、盛上げてくれます。お越しをお待ちします。

2019年2月6日(水)〜11日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/無地刷毛目茶盌W12.8×H7.6cm
撮影/田中幹人


開業25周年記念催事 笹山 芳人 茶碗展
開業25周年記念催事 笹山 芳人 茶垸 展

   手にした土から発想して、焼き物を作る人です。何に向く土か?焼締か粉引か茶垸になるか、花生かなど…土と云う自然の声を聞くからこそ、それぞれに味わい深い器となるのだと思います。
   川喜多半泥子の茶垸に憧れ陶の道にはいった人です。万とも言われるその人の茶垸を目指すと云う事は、万の形でなく、その底に流れる作陶に向きあう心だと思います。
   半泥子に縁ある方の息女から、半泥子の茶垸を贈られた話を聞いた時は驚きました。彼の一貫した心をずっと見つめて下さっていたのだろうな…と思い、変わらぬ心が人の心を動かし茶垸を引き寄せてしまったのだと感動しました。ご来店をお待ちします。
   彼に託された半泥子茶垸を柱に、1月25日(金)三井別邸茶室で茶会を催します。会名は“分身茶会”、亭主は岩井敏子様。お電話にてご希望を承ります。

2019年1月23日(水)〜27日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

撮影/田中幹人


開業25周年記念催事 松葉 勇輝 碗展
開業25周年記念催事 松葉 勇輝 碗展

   灯油窯と炭窯を駆使して、小さな花器をはじめ掌の器を展開してきた松葉君が深く茶碗を想い、今展では碗を充実させて呉れました。
   茶碗は、器の中で特別に深化した焼物です。が、彼は茶碗を素の碗として捉えなおし、彼独自の碗世界を展開して呉れています。飯碗、汁椀、茶碗…みな碗、料理を盛れば小鉢にも。
    今展を打合せていた昨秋に蹴轆轤を使いはじめ、新たな碗群が誕生する勢いです。炭窯の将来に光明を見出し、窯焚きの工夫にも一段と力がはいり、碗をどう深化させて呉れるか楽しみです。
    イキの合った花人余島裕二氏との交流から生れた掛花生が会場を彩ります。掌の器から両掌の器へと歩を進め、着実に焼物作りに励む松葉君の作品を、多くの方に見て頂きたいと願っています。

2019年1月9日(水)〜14日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

撮影/田中幹人


謹賀新年
謹賀新年

   昨年十一月一日、開店二五周年を無事迎えることができました。 皆様お一人お一人のご愛顧の賜と感謝の気持ちでいっぱいです。
   記念茶器展には、立花大亀老師の薫陶を永年受けられた陶芸家杉本貞光氏に五日間フルに在廊頂き、記念月を盛り上げて頂きました。次回以降への展望もお話し頂き有難く光栄でした。
   去る六月青松郡守韓氏が退任され、その機に友好盟約を解消致しました。この間の友好事業に際し多くの方にご参加頂きましたこと有難く感謝致して居ります。
   本年は二五周年催事を纏め上げながら、先の道を開く年に出来ればと思っています。どうぞよろしくお願い致します。
   皆々様のご多幸をお祈りします。

二〇一九年 元旦

川口慈郎

写真/朝鮮時代の常用語、寿福康寧富貴の篆書が側面に刻まれた、鉄地銀象嵌の煙草匣をお愉しみ下さい。(W14.4×D11.2×H10cm)
撮影/田中幹人


プレ開業25周年企画 新羅土器・みたて西山の花生
プレ開業25周年企画 新羅土器・みたて西山の花生

24年前“新羅土器を花生に!”をテーマに、妻典子と二人で骨董店を開きました。開業に当り、新羅土器に的を絞ったことが縁で韓国骨董につながり、朝鮮家具と土器が特徴の店になりました。
4年前、開業20周年の記念ハガキ作成に際しては、花屋みたての店舗に朝鮮家具を運び込み、撮影をさせて頂きました。西山氏の花生と花器・家具のとりあわせで好評を得ました。
此度は、土器が大好きと言うみたて西山氏に、当店のショーウィンドで種々の新羅土器の中からお好みのモノを選んで頂き、毎月一回、その時々の自然の花を生けて頂きたいと思います。 初回は2017年11月1日(水)、その後は12月6日(水)、2018年は1月20日(土)、2月17日(土)、3月21日(水・祝)を予定しています。お楽しみにお立寄り頂きます様お待ち申し上げます。

写真/花器候補の18点 撮影/田中 幹人


市川 孝 茶車展
市川 孝 茶車展

   市川君はモノを拵えるのが好きです。お茶が大好きになりました。
   お茶に使えるモノを拵えるのが楽しいのです。お茶の愉しみをより多くの方に伝えたいと思っています。そんな市川君のココロが凝縮しているのが茶車です。勿論会場は茶器、食器がいっぱいです。
   茶車のことは既にご紹介して参りましたが、市川君の探究心は並ではなく、茶車に関わるアイディアがふつふつと湧き、新らたな工夫を加えた茶車が次から次へと誕生してきました。茶車一号を開発して3年目になりますが、とうとう八台目が出来上がりました。
   今回のモノは、彼自身の使い勝手だけでなく、抹茶や煎茶、色んなお茶の方に使って頂ける茶車を開発して呉れました。
  此展では、3台を出展し、会場や庭に設置します。特に八号茶車は2日(日)煎茶席、5日(水)山居珈琲席、7日(金)抹茶席に変身します。楽しみにお越し下さい。

2018年12月1日(土)〜9日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日

写真/茶車八号、於出町柳川原 撮影/田中幹人


25周年記念茶器展_韓国骨董茶器_杉本貞光茶器
25周年記念茶器展_韓国骨董茶器_杉本貞光茶器
25周年記念茶器展
Part1.韓国骨董茶器展11月1日(木)〜4日(日)
Part2.杉本貞光茶器展11月7日(水)〜11日(日)

思いがけず1/4世紀も、骨董屋を続けさせて頂きました。55歳で発起し、一年後に開業したあの頃は、亡妻典子と二人で「新羅土器を花生に!」と云う旗を掲げるのが精一杯でした。
振り返ると多くの師と出合い、お導き頂いたことが想い出されます。その代表が先代北村徳斎様です。開業1周年から5年目迄の4年間寺之内から自転車で通って頂き、骨董の薫陶を受けました。
つぎに、骨董・新羅土器へ私共を導いて下さった宮永様。その縁が端緒で、当店の主力アイテム朝鮮家具につながり、扱うジャンルは韓国骨董に絞られてゆきました。
当方に蒐まる韓国骨董を目指して、陶人他手仕事の方々が来て下さり、その方々の個展も毎年数回は催させて頂く様になりました。
この25年を通じ、一貫しているのが花生けであり、それをまとめあげて頂いたのがプレ開業25周年企画「新羅土器によるみたて西山隼人の花生」でした。
25周年以後の柱に、花生の他にお茶を加えたいとここ数年、努めて呉れたのが茶道部長中山qセ朗氏であり、今回の茶器展の根元です。
天のお導きかと思える昨夏の出合い、わびさびを追求されている孤高の茶陶人杉本貞光氏の訪問を受け、私共の茶器展企画は一挙に出来上がったのでした。
当店の選んだ韓国骨董茶器と、杉本貞光作のわびさび茶器が、それぞれの音色で響き合って、佳き記念展になると確く想います。
最終日には、向かいの旧三井別邸茶室で、中山氏が茶会を開き此展示に花を添えて呉れます。ご案内は裏面に。(但し、お茶会は満席となりました。)
私共を導いて下さった師・諸先輩、並びにご愛顧頂いた顧客の皆様に心より感謝申し上げ、此展を中心とする25周年記念催事を通じお心にかなうモノやコトがありましたら幸いに存じます。
2018年盛秋

Part1. 韓国骨董茶器展 11月1日(木)〜4日(日)
          当社が蒐めてきた韓国骨董中から中山福太朗氏が選定したもの、及び一部韓国へ
          出向いて買い付けたものを加えみたて、しつらえた茶器を出展いたします。
Part2. 杉本貞光茶器展 11月7日(水)〜11日(日)
          わびさびを追求されている杉本貞光氏の茶陶は、桃山期の茶陶同様巾広いのですが、
          今展では韓国由来の茶陶を中心に、身近な作品も含め出展して頂きます。

2018年11月1日(木)〜11日(日)
Part1. 韓国骨董茶器展11月1日(木)〜4日(日)
Part2. 杉本貞光茶器展11月7日(水)〜11日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日※10月31日(水)は臨時休業

撮影/田中幹人


開業25周年記念催事_水垣 千悦_陶展
開業25周年記念催事 水垣 千悦 陶展

   水垣千悦さんの焼物は実に巾広く、白磁、染付、飴釉、るり釉、三島、まだまだあります。そしてそれぞれがヨイのです。私が扱っている韓国骨董そのものではないのですが、目に馴染むものです。
   今展はオーソドックスに白磁を中心に据え、最も人気のある水垣さんの白磁食器を沢山出展して頂き、飴釉の食器や花器で彩を添える展覧会にして頂きます。
   ここ二年余、彼女は薪窯をフルに使って焼物を作っています。裏山にある木々を頂いて焚いているそうです。地方の小さな窯は古来、焚木の種類も多様だったし、松割木でなくて十分です、小さい窯には短い炎が合いますと、軽やかに話してくれました。なにより仕事の仕上げを炎に託す薪窯を楽しんで居る様子が伝わってきました。
   きっと楽しい食器が、いっぱい並ぶと思います。是非、お越しを。

2018年11月21日(水)〜25日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日

撮影/田中幹人


開業25周年記念催事_柳下季器_陶展
開業25周年記念催事 伊藤 祐嗣 金工展

ついき(鎚起)って何ですか?−私の仕事道具は三つで‘金鎚と金床と熱’さえあれば、仕事は出来るのです。鎚起は、その基本の様なモノで、丸い眞鍮の板を熱して、たたいて突き出していく技法です。学生時代から何千回とたたいてきた鉢に戻って、「これならいい」「これはいい感じ」と思えるモノを並べてみようと思いました。 彼の言葉で、骨董の師匠徳斎様の口振りを思い出しました。気に入ったモノがあると「これはヨイ」でした。形が良いだとか味があるとか、何も言われない、ただ「これはヨイ」だったのです。伊藤さんが自身の感性の根源を大切にされているのを強く感じました。
この鎚起鉢は、見る人によって、建水にも花器にもなる、のだと思います。今、個展に向けて茶入れ、茶托、一輪差しを一個々々たたき出してくれています。内側に朱漆を施した小鉢もあると…何でしょう?気になります。どうぞ、楽しみにお越し下さい。

2018年10月17日(水)〜21日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日

撮影/田中幹人


開業25周年記念催事_柳下季器_陶展
開業25周年記念催事 伊藤 明美 陶展

数年前、伊藤さんと初個展の打ち合せをしていて、窯の話になりました。電気窯で未だまだやってみたいことがあり、いずれ薪窯に取り組みたいのだけれど今は未だ…と話されていました。
昨年から知人の登窯に参加して居り此展の三分の一位が薪窯で焼成したモノ達です…と連絡が届きました。今その時がきたのですね。茶碗や徳利、花器など、薪窯から取り出されたモノは姿・形に自然の変化があり、肌が均一でなく異なった表情があり、存在の強さを感じます。
人気の小服碗には、新たに粉青掻落しを加え、使いやすい向付を各種揃えてみました。茶篭も楽しみながら一篭組みました。一年一回、積み上げてきた成果をご覧頂きたく、皆様のお越しを会場でお待ち申し上げます。

2018年9月20日(木)〜24日(月・振)
11:00am〜6:00pm ※19日(水)は搬入の為 臨休

撮影/田中幹人


開業25周年記念催事 涼風展
開業25周年記念催事 第九回韓国古陶磁探究陶人展

陶人展参加メンバーは多彩です。焼物を焼いていることは共通ですが、土のこと、釉薬のこと、ロクロのこと、窯のこと等、殆んど全てが同じでなく、諸般の事情を含めそれぞれ自分の流儀を持って居られます。もっと根源的なところで、何を目指し、何を作るかも、単純でなく、各々強い自己流をお持ちと感じています。だからこそ、多彩で個性豊かな展覧会になるのだと思います。
本年、新規参加の柳下季器氏は茶碗・茶器に定評のある陶人であり新しい個性が加わり、陶人展が一層厚みを増すものと思います。初日3日には、みたて西山氏の花生がショーウィンドにはいり、展を盛り上げます。日により陶人もお待ちしております。
[参加陶人] 菊池 克  光藤 佐  松葉 勇輝  高木 剛 伊藤 明美  笹山 芳人
田中 茂雄  市川 孝   中西 申幸  柳下 季器  (敬称略、順不同)

2018年8月3日(金)〜12日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日
※臨時休業/8月2日(木)

写真/田中幹人


開業25周年記念催事 涼風展
開業25周年記念催事 涼風展

京に祇園祭が近づく頃、以前は琵琶湖東岸に広大な蓮の群生地があり、美事に大輪の花が咲き誇っていました。何年か前忽然と消えてしまい、今では想い出です。大自然の不思議です。
民画には蓮花がよく描かれ、咲いた花の他に枯れた蓮が描かれる事が多いです。花が咲くのも自然なら、枯れるのも又自然なのですね。 蓮画の水面に鴨を描くこともあり、水中の魚や生き物、藻類が描かれることも多いです。花だけに焦点をあてない姿勢に打たれます。 篭を編めば、表と内と二重に編み、堅牢に作っています。
チョガッポもそうです。端布の繋ぎ方に、布の使い方に又配置にも、包む時の堅牢さへの配慮がみられ、私達を魅了して呉れます。 韓国骨董の美しさの根底に、暮らしへの洞察と自然への深い敬愛を感じ魅き込まれます。飾らない豊かな世界をお愉しみ下さい。

2018年7月11日(水)〜22日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中17日(火)休み

写真/田中幹人


開業25周年記念催事_柳下季器_陶展
開業25周年記念催事 柳下季器 陶展

思いがけず杉本貞光様を案内して、お二人で当店を訪ねて頂いたのが1年前2017年6月でした。8月に信楽、寺垣外窯を訪ね、9月に伊賀、神田窯を訪ね、それぞれ今年の個展を約束して頂きました。
季はめぐり、早や初夏の陶展をご案内する時が参りました。
師弟お二人が目指されているのは、桃山時代に完成した日本独自のわびさびの美意識の探求であり、その表現としての陶磁作品です。
作品は茶碗を中心に、焼種も楽・志野・伊賀・信楽などを、食器や酒器・花器にも多彩に展開し、くわえて狛犬などの塑像作品も出展して頂きます。未だ見ぬ朽損仏に気が惹かれています。当展に向けて、特に重点的に取り組んでいただいた青磁釉の作品は、独特の風合いが魅力的です。ご来駕賜ります様お待ちして居ります。
期間中、23日土曜日には裏庭の片庇で、中山qセ朗氏のお茶席を設け、柳下氏のお茶碗を愛でて頂きます。

2018年6月20日(水)〜24日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

撮影/田中幹人


開業25周年記念催事_光藤佐_陶展
開業25周年記念催事 光藤 佐 陶展

瑠璃釉と聞けば、紫がかった鮮やかな青を連想し、全体に綺麗に施釉された焼物をイメージします。しかし、高麗・朝鮮時代の焼物にはその類を見かけず、近いモノが19世紀にはあるのですが、なぜか筆あとが残った様な不均質な瑠璃なのです。
光藤さんの瑠璃釉は、マットな黒い焼物だと思い込んでいて、光線の具合で、エッ青味のある黒釉?などと思った位で、独特の深海瑠璃釉なのです。写真のモノは、釉薬だけでなく造形にも以前見たモノとは違う工夫がなされて居り、つきぬ魅力を秘めた焼物を作る陶人です。丹波篠山のその向う、但馬和田山の山間の地で一人、土を合せ土を練り、ロクロを廻し、自身で割った薪で年三回穴窯を焚く暮しを、あくことなく繰返している光藤さんです。独自の小さな工夫の積上げが随所に光る食器などの作品を是非ご覧頂きたく、ご案内しお待ちします。

2018年5月23日(水)〜27日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/瑠璃釉小瓶(右)H12.6×W8.2cm 撮影/田中幹人


開業25周年記念催事
開業25周年記念催事 我谷盆賛 パート2

森口信一さんは、我谷盆に夢中です。
かつて我谷盆が作られていた我谷は、昭和期にダムに水没した山中の集落です。風谷はその隣村ですが、今や数軒の空家が残るだけの地となって居り、一昨年、意が通じ森口さんがその一軒を借受け風谷アトリエを設けました。風谷を拠点に石川県下で我谷盆教室を繰返し開催し、製作の芽は地元に着床していると聞いてます。優れた木工作家を中心とした前回メンバーに加え、我谷盆作りを志す石川の若手の作品を加えて我谷盆賛パート2を開催します。
我谷盆はザックリ割られた栗の厚板をノミだけて刳って作ったお盆です。その素朴なお盆が発祥の谷の隣村で復活の産ぶ声をあげ地元石川で復興し更に全国に輪を拡げ繋がってゆく事を出展諸氏と共に心より祈ります。皆様のご賛同・後援を期待致します。

2018年4月11日(水)〜15日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

撮影/田中 幹人


菊池 克 陶迦葉展
菊池 克 陶迦葉展

2011年の陶人展に、初参加の菊池氏が硯滴を携えて加わってくれました。前年の故全日根展に硯滴を並べていたので、オッやるな!と注目したのを憶えています。翌年の陶人展では白磁透彫筆筒が美事でした。2013年の個展は、文房具展にジャンプでした。
昨年の第二回文房具展では、揮毫歓迎の巻紙を軸に文人サロンの香が流れていました。展示予定品目を見ると食器や文房具の他、窯の炎熱にぎりぎり耐えたひさご徳利(表写真)等、味な酒器や花器も並びます。作品の端々に文人の気が感じられ愉しく香り高い会場が思い浮かびます。
今年から個展会場を2階から1階に移して居り、初日のショーウィンドには、みたて西山氏の花生がなされ、注目度が高まります。
春分を迎え花もまじかな鴨川辺りへ、どうぞお運び下さい。

2018年3月21日(水・祝)〜25日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

撮影/田中 幹人


新羅土器展
新羅土器展

昨秋、久し振りに、韓国古代土器が多く展示されている新羅、伽耶、百済の故地にある博物館を巡って参りました。
伽耶、金海の博物館で感じたことは、私が開業以来、新羅土器として扱わせて頂いたモノの多くが、区分すれば、伽耶土器だったと云う事でした。なかでも5年前の土器展で、驚きをもって、ローマ文化の風として紹介させて頂いた把手付土器も、新羅よりも伽耶に多く、特徴的な土器だったと知りました。個性的フォルムを持つ写真のこの土器もまぎれもない伽耶土器でした。
みたて西山氏が記念花生用に選んだ土器も含め、展観させて頂きます。この機会にいま一度、新羅土器の魅力に接して頂きます様ご案内申し上げます。併せて、四月以降のみたて西山氏の花生、予定日をお知らせ致します。
2018年4月11日(水) 5月23日(水) 6月20日(水) 7月11日(水) 8月4日(土) 9月20日(木) 10月3日(水)

2018年3月7日(水)〜11日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

撮影/田中 幹人


高木 剛 陶展
高木 剛 陶展

薪を斧で割っているんですって…。窯は小さいながら薪は沢山要るんですよ。薪窯で焼物を生み出す喜びに魅了されて薪割りも楽しい…と高木氏は言います。そんな言葉に誘われて、寒のゆるんだ師走の一日、京北に行ってきました。かなり山深く隣に仙人でも住んでいそうな、山に寄り添う一軒家でした。建屋の周りには薪と薪材料が其処ここに山積みされ陶人の住まいと判ります。
工房では手廻しロクロと蹴ロクロが気に合い、古代の陶人の気持ちになって作っていると聞きました。
個展までふた月、数回窯を焚くと聞けば、没頭し、陶三昧の暮らしなんだな、ご苦労さん!と同時に羨しくも思いました。
器のひずみに美を観て、焼損じにも魅力を見出す心で日常使いの器作りに励む高木氏の作品です。どうぞじっくりご覧頂きたく。

今年の茶席は、21日(水)大西眞紀子さんが煎茶を淹れてくれます。彼の茶器でお愉しみ下さい。

2018年2月17日(土)〜25日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

花/みたて 西山隼人 写真/田中幹人


笹山 芳人 陶展
笹山 芳人 陶展

笹山さんは骨董好きです。住いが名古屋に近い四日市市なので、大須の骨董市が一番のなじみの様です。
骨董には経年変化があり、奥深さ、味わいがあります。時を経た自然の変化の味わいを知っている笹山さんは、薪窯の炎による焼物の味わいの違いを心得ている人だと思います。
土の調合と手技と窯の炎の果実、まさにそんな茶垸が並びます。
「花が生けやすい花器でした。器の重さも気になりません。笹山さんの器は自然の器だと思います。」とお客様の声です。
手に入れた土の性を見極め発想すると、食器になる時も、花器に、茶垸になる時もあります。自分の意図より、自然土の個性を重視されているのだと思います。それぞれに味わいのある笹山さんの焼物を見て頂きたいと思います。

2018年1月20日(水)〜28日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/田中 幹人
※当催事の初日、ショーウィンドウ於、みたて西山氏の花生を見て頂けます。


謹賀新年
謹賀新年

本年十一月一日開業二十五周年を迎えます。五十六歳で骨董屋を始め四半世紀続けさせて頂けた事、誠に有難く、厚く御礼申し上げます。
素人がいきなりの開業でしたが、お客様先輩に恵まれ、なかんずく先代徳斎様の骨董指南は私共の羅針盤でした。自分がヨイと見たモノは必ず買って下さる方が居られる、すぐではなくてもいずれ必ず…。
既にプレ二十五周年として、みたて西山氏の花生催事を始めて居り、陶人工人の皆様にも記念催事をお願いし、それぞれに盛り上げて頂きます。特に秋にはお茶に関わる催事を充実させる計画であり、渾身の力を注ぎます。
糺の森の自然を守る運動はマンション建設が完了し残念な事態となりました。自然破壊、文化破壊を止めるべく一市民として輪を拡げ続けたいと願って居ります。
本年もどうぞよろしくお願いします。
二〇一八年 元旦

川口慈郎


市川 孝 拵展
漆掻き 猪狩 史幸まさゆき

はじめて猪狩さんのことを聞いた時の、そんな人が居るのか?と云ういぶかりと驚きを今も思い出します。漆掻きで漆の器を作る人なのです、猪狩さんは、奇少な人です。
日本の漆樹林の一大集積地である岩手県北地域で、6月から10月の適期にはひたすら山にはいり漆を掻き、不適期を生かし、漆作品を制作する生活サイクルが出来つつあると聞きました。
漆の作品を作る時、猪狩さんは、自身が掻いた漆に何も足さず、ただ塗り重ねるだけで器に仕上げて居られます。純にして靭、この漆の器を是非皆様に見て、触れて頂きたいと思います。本年最後の催しへどうぞお越し下さい。

漆掻きと器のこと 茶話会 2017年12月9日(土) 16時〜17時
折角の機会なので、猪狩さんの話を聞く会を対談形式にて催します。
ご予約の方優先・川口美術までお電話下さい。

2017年12月6日(水)〜10日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/撮影/田中 幹人


市川 孝 拵展
市川 孝 こしらえ

市川君は今、何処ででもお茶を供する事ができる様、独自の工夫を重ねた茶車なる道具を拵え、国内はもとより、中国、台湾にもそれを携えて、お茶の愉しみを広める旅を続けています。 東北に行っては大きな蓮池に舟を浮かべ、蓮酒ならぬ蓮茶を飲む。近年これは年中行事の様です。今年の中国は西安に赴き、空海ゆかりの青龍寺でお茶会をしたことなど話して呉れ、ついひき込まれ、彼の茶の世界に遊ばせてもらうことになるのが常です。
今展には、奥伊吹の窯で焚き上げた焼締のものが中心に並びます。茶壷・蓋碗・土瓶などの茶器から、各種の食器を用意しているとのこと。ラーメン鉢も出てくるのかな。
晴れたら茶車を庭に出してもらい、高天の下、西安に想いを馳せながらよばれる中国茶は格別と思います。お越しをお待ちします。

2017年11月22日(水)〜26日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/茶入 W6.5cm×H6.5cm 撮影/田中 幹人


ソンビの書案好品展
ソンビの書案好品展

朝鮮時代、出世や金銭を追い求めない高潔な文人を、尊敬を込めてソンビと呼んでいました。かの人達の多くは官職を持って国王仕えをしていましたが、自宅にあっては主に舎廊房(書斎)で暮らしていました。その書斎生活の中心にあったのが書案(机)です。
そう云う書案ですから、使う人が自分の使い方に合うモノをオーダーメイドしています。書案を見れば、そこでの生活の一端が推測できます。書写など書くことに熱心な人あり、専ら読書に多くの時間を使っていた人もあり、文房具などモノを多く持っていた人もあり、色々居られたと思われます。
今展では、冊パンダヂ、文匣、冊卓子、硯床など、文房家具も展示させて頂きます。朝鮮時代のソンビの生活に思いを馳せて頂けると幸いです。是非ご光来お待ちします。

2017年11月1日(水)〜12日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/田中 幹人
※当催事の初日は、ご案内のみたて西山氏による花生がお楽しみ頂けます。


田中 茂雄 李渓窯展
田中 茂雄 李渓窯展

田中氏の住居は明日香石舞台から約一里の山間に在り、江戸中期に建った古民家を修復しながらの暮らしです。10年前移住当初、中庭に柱のない土壁だけの小屋を作り、そこを工房とし、土を調合し練り上げ、蹴ロクロで成形されています。村外れには村有の段々畑があり、その内7畝の畑を任されて自然農を営み、その畑地の斜面を活かし、薪窯を築かれています。
氏の人生を決定づけた井戸茶碗、それに連らなる朝鮮の焼物、堅手・白磁と、オンギ・土器を田中氏独自の陶に作り上げてこられました。碗、鉢、皿など食器も、粉引茶碗、奥高麗茶碗も並びます。田中氏の陶の世界に是非お越し下さい。
来春辺り、明日香の窯出し訪問企画などできたらと思います。

2017年10月18日(水)〜22日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中 幹人


松葉 勇輝 陶展
松葉 勇輝 陶展

あれからもう一年になります。松葉君が小さい花器を200個以上作り、当店階上に並べて呉れました。似たサイズながら、器形も焼きも多彩でひとつひとつ異なった器になっていました。 小さい花器の展開として、掌サイズにこだわり焼物を作り続けてきた松葉君の第二回個展も、私共で開催することになりました。
かたちでみると、壺・瓶・筒から、碗・鉢・高杯・ぐい呑に拡がってきています。灯油窯に薪が加えられるよう改良し、焼きの巾が拡がっています。焼種としては須恵器手・土師器手が、特徴的に深まりを見せています。成形も、手びねり・たゝら作りが加っています。
あえて、作品の大きさを制約することで、ワク内のあらゆる面を深めてきた“松葉君の掌の焼物”を手にとって御覧下さい。

2017年10月4日(水)〜9日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

白磁瓶・H8cm  花生/余島 裕二 写真/田中 幹人


伊藤 明美 懐石 茶陶展
伊藤 明美 懐石 茶陶展

粉引の汐景茶碗に傾倒していた時があり、その時は粉引の微細な変化を毎週何年もブログに載せ続ける熱心さでありました。茶籠に夢中の時もありました。今は茶懐石の食器が心に拡がっている様です。懐石の器となれば、色んな種類の器が要ると思いますが、こだわる伊藤さんだからきっと全種類を一人でいきたいと思って居るのだろうな…と想います。新らたな技の習得が必要になってくると思えるし、かなり忙しくされていることと想像します。
同じ田川市内で、茶室付の一軒家に居を移したと聞いて居ます。お茶を柱とした彼女の陶人人生のカタチが見えてきた気がします。
伊藤さんは今、充実した気持ちで作陶されていると思います。きっと皆様の期待にふさわしい作品が並びます。練り上げた茶籠も、粉引茶碗も並びます。是非ご覧下さい。

2017年9月21日(木)〜25日(月)  ※会期曜日にご注意下さい
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中 幹人


第八回 韓国古陶磁探求陶人展
第八回 韓国古陶磁探求陶人展

夏の暑い時季の催しですが、回を重ねかなり厚さが増してきたと思います。特に展示用パンダヂを一人当たり一台から二台に倍増したのは有効だったと思います。当店とつながる陶人の作品が同時に見られる得がたい機会としてお客様も楽しみにして下さっている様です。
メンバーの半数は初回以来の方々で、当展・当店をもりたてゝ下さっています。その後に参加して頂いた方々も、年を追って作行きが明確になりその人ならではの作品展示になって居ます。今回初参加頂きます光藤氏は既に各地で個展実績がある方であり何を見せて頂けるか楽しみです。多様な個性にご期待下さい。

[参加陶人]  伊藤明美  松葉勇輝  菊池 克  江頭龍介  中西申幸  田中茂雄  笹山芳人  
高木 剛  鈴木大弓  市川 孝  西林 学   光藤 佐  (敬称略 順不同)

2017年8月5日(土)〜13日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休
※臨時休業8月4日(金)

写真/伊藤 信


涼  風 展 − 編 ・ 織 ・ 縫 −
涼 風 展 − 編 ・ 織 ・ 縫 −

夏向きの韓国骨董を蒐めました。かなり多くの方にパディをお買上げ頂いております。そのパディで織ったトッチャリ・韓国茣蓙を初めて紹介させて頂きます。トッチャリは巾も長さもまちまちで畳文化の日本との違いを感じます。
朝鮮時代には冬の農家の手仕事として、蔓や草や種々の紐を編む文化が多様に広がっていました。山人の杞柳飯盒、漁夫の竹魚籃、山菜採りの蔓篭などその一端をご紹介いたします。韓国ドラマの映像で見て居られる朝鮮時代の紳士が被っている黒い笠帽は馬の尾毛で編んで作られています。竹編笠も並べます。
夏の韓国骨董ではチョガッポははずせませんね。格子戸やパディも展示します。初日12日には平床を置き大西眞紀子さんの冷煎茶席を設けます。韓国の涼風をお楽しみ下さい。

2017年7月12日(水)〜23日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/伊藤 信


江頭 龍介 白磁展
江頭 龍介 白磁展

三年前、決断して韓国に渡り、慶尚北道の伝統窯青松白磁の技を習得して参りました。帰国以来、信楽の工房で白磁の制作に明け暮れて居ります。とりわけ今は、青画絵付けに夢中になっています。
らんちゅうは、長年愛玩してきた金魚で、身近によく見ていると思っていたのですが、こうして絵付けしてみると容易でなく、なかなかに見えていないのだと思い知り、足らぬところは気持ちを込め描いています。
白磁皿鉢の型押しに色々工夫を加えています。自分が好きなのだと思います。器の使い易いサイズ・深さは我が家での感覚に依っています。皆様のお気に合う事を願っています。
会期中、毎日会場で皆様のお越しをお待ちしています。

2017年6月17日(土)〜6月25日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/田中 幹人


鈴木 大弓 陶展
鈴木 大弓 陶展

学生時代クラブで陶芸に没頭し、卒業後いきなり言葉もわからない韓国の窯場にはいり込んだのです。四年後には信楽で窯を持ち独立されているのです。色々あったと思いますが至極たんたんと好きな道に邁進している姿はしなやかに感じます。以来、合同展や個展を精力的にこなして来られました。
昨秋、窯場設備のある住居を伊賀に得て、今これから大きく羽ばたくとき、足場が確り定まったと思われます。鈴木氏に会い話していると、そのワクワク感がひしひしと伝わって参りました。
韓国で学んだ焼物、なかでも好きな堅手を中心にすえながら、花器、酒器、茶碗を追求し、皿鉢など食器類の器種も豊富に出展準備を進めています。
好天の五月、皆様のお越しをお待ち申し上げます。

2017年5月24日(水)〜28日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中幹人


水垣 千悦 陶展
水垣 千悦 陶展

これが水垣千悦さんの、今の作品なんです。小さな薪窯を築いて、昨年から焼き続けている器類です。ロクロの技、造形センスは、まぎれもなく彼女のモノです。憧れの朝鮮時代中期の白磁を想わせる水垣さんの器には熱烈なファンがいっぱい居ます。
彼女が、長年温めてきた薪窯への取組みが今進行中なのです。個展までにあと何回窯焚きをされるのでしょうか。その一回一回が確かな実りになるものと思います。大分まで、飛んで見に行きたい衝動にかられます。
特に今、力を注いでいる飴釉、刷毛目、三島などに、白磁、染付、瑠璃釉など従来からの作品を加え、会場が賑わいます。 ワクワクしながら、会期の到来を指折り数え、皆様と共に待ちたいと思います。四月下旬、お楽しみにお越し下さい。

2017年4月19日(水)〜23日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中幹人


第二回 菊池 克 文房具展
第二回 菊池 克 文房具展

お待たせしました。前回は一昨年秋でした。あの時は体調をコワシて来ることが叶わなかったのでした。少し余裕の一年半振りの個展になりました。
菊池氏は文房具作りを通じて書道の方々と文通もし、すっかり文人生活になっている様です。此度の送り状など、どうしても写真に入れたい手紙になっていました。
写真の焼物も、日頃自身が使っているものと同様のモノとの事。これは愉しい展覧会になる予感がします。久し振りの京都です。興ずれば会場で書や篆刻の実技の交流も期待したいものです。皆様、お気軽にお運び頂き輪に入って頂きます様お待ち申し上げます。

2017年3月22日(水)〜26日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中幹人


伊藤 祐嗣 金工展
伊藤 祐嗣 金工展

伊藤さんは昨年、伊国と英国をまわってきて30年振りに大英博物館も訪ねたそうです。「有史以来、金鎚と金床で造られた古今東西のモノ。その時々に求められるものを形にしてきた無数の工人達。あまり大仰なことは考えず、自分もそれに連なれれば良いと思ったのです。」伊藤さんの言葉です。
三つ入れ子の旅酒盃、お燗に使う角やかん、銅の一合ちろり。
発酵食品の時代です。日本酒に強い関心が集まり若い杜氏が各地で活躍する今、酒器は時代の求めるモノと、此展の中心に据えてくれました。続いて、鉢、盆、花器、茶托も打ち出しております。良きモノをたっぷり観てきて、造りたいモノが次から次と湧いてくると言われます。それを作るのは楽しいんだろうナ。
楽しみに、お越しください。

2017年3月8日(水)〜12日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中幹人


高木 剛  陶展
高木 剛 陶展

高麗鉄釉を連想しながらこの釉は何ですか?と尋ねたのですが鉄釉ではないと否定し、青磁石を混ぜた釉と、胎土の鉄分でマットなこの肌になったと解説して呉れました。
小さいながら薪窯を築き、直火の炎で焼く魅力に引き込まれ、既成の名称による分類を必要としない、自分の目指す焼物作りにはまっている高木君を頼もしく感じました。また一段深い焼物を目指している高木君の作品をじかにご覧下さい。
昨年の個展時に煎り番茶々会を開催し「京都はお茶でできている」(青幻社2016年10月刊)に収録されています。今年も19日(日)と25日(土)に大西眞紀子氏の同茶会を開催させて頂きます。お楽しみ下さい。

2017年2月18日(水)〜26日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日
★2月19日(日)と2月25日(土)に大西眞紀子氏の茶席を設けます。

写真/象嵌瓶W9cmH11.8cm 撮影/田中幹人


笹山 芳人 陶展
笹山 芳人 陶展

伊賀土鍋屋の生れです。一時期は勤め人の生活を求めましたが、半泥子の茶碗と出会い、陶の生活に入りました。以来 ”30年、相も変わらず” と本人は表現されています。 そうなんだと思います。生きることは日常の連続であり、焼物を作る事が日常であり、それを30年飽くことなく積み重ねて来たと云う事だと思います。
ハタから見ていると、折々は力みなく飄々と、であるが 通じてみると大きく新境地を拓かれた様に思うのです。が、笹山さんにとっては特段の事ではないのですね。
今年も力のこもったコクのある作品を色々見せてくれると思います。お楽しみにお待ち頂きたいと思います。是非お越しを!

2017年1月21日(土)〜1月29日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/田中 幹人


謹賀新年
謹賀新年

我谷盆展では、森口氏の熱気が共感者を呼び、又時代を越えて日韓木工人に通底する心根の有る事を感じました。
韓国青松郡友好五周年は、江頭龍介氏白瓷展の両国での開催と、朝鮮時代の文人が詩歌を楽しんだ川岸巨岩上に建つ亭でのqセ朗氏の茶会で盛上がりました。
春は、故全日根陶の根強い人気に感服し、秋は、市川氏のあくまで根源を求める姿勢と中国茶の文化とマーケットの深く大きいことを教わりました。
旧友松岡氏の編集になる「京都はお茶でできている」(青幻舎刊)に、計らずも私が登場し、まわりのお茶狂いの方々を紹介する機会を得ました事、光栄でした。
糺の森を守る運動は、金銭的利益優先の町壊し阻止運動として一万二千筆の署名を集め、ユネスコ本部への代表派遣にまで歩を進めています。ご協力ご支援多謝。
商い始は正月六日(金)、 本年も宜しく願い上げます。
二〇一七年 元旦

川口慈郎


朝鮮家具展
朝鮮家具展

今年も師走は朝鮮家具展になりました。パンダヂの中には二層パンダヂが、背が高く目をひいています。小振の無金具パンダヂがあり、ユニークな姿を見せています。中肉中背落ち着いた忠清パンダヂ(表写真)など如何でしょう。他にも色々。
棚も何点か並びます。小振りに気になるモノがあります。
虎足盤は大中小とサイズが豊富で、他に狗足盤・一柱盤・四方盤・円盤と種類も充実していて、それぞれに好品です。
家具だけでなく、壁面を飾る民画やパディも、家具や台上を彩る焼物やポシャギも、折りに触れ承った皆様のお好みにお応えできる品を選んで展示したいと思います。 年の瀬でございますが、ご覧いただきたくご案内申し上げます。

2016年12月7日(水)〜18日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日

写真/久保田康夫


第五回 市川 孝 拵展
第五回 市川 孝 こしらえ

工夫を重ねるモノ作り、必要なモノは何でも自ら作ってしまう市川氏、極めつけが今年の茶車でしょう。
10年以上前から台湾に通い、国内はもとより今では中国も台湾も往き来して茶を探求し、各地・各所でお茶席をひらいてきた市川氏が何処に行ってでも、お茶席が即座にひらける様に工夫したのが茶車です。
当店階上には白瓷・土瓷・木をあしらった器・木工拵えモノなど、皆様期待の品々が並び、裏庭には茶車を配し、市川茶席がひらかれます。多面的にお茶を追い続けている氏の話を聞きながら飲むお茶は格別です。茶人市川孝氏がねりあげたお茶の道具をご覧頂きます様ご案内申し上げます。

2016年11月23日(水・祝)〜27日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中 幹人


松葉 勇輝 陶展
松葉 勇輝 陶展

花器として作ったと言って、小振りの壺を持って松葉君がやって来たのは昨年の正月のことでした。花生けを思うなら「みたて」を尋ねる様にすすめ、多くの示唆を受けたと聞きました。
昨夏の陶人展には、小振りの花器だけで参加して呉れました。その初日一番に“旅持ち花器”にピッタリだと言う余島氏との出会いがありました。その思いも汲みながら様々な壺や瓶や筒を色々の土で展開してくれています。
松葉君のヒトツ道を徹底して追求する熱い想いが、協力者を呼び、この初個展になりました。松葉君の想いとワザの原点をはらんだ、多彩な小振りの器の数々を是非見て頂きたく、ご案内申し上げます。

展示協力 (花) 余島裕二 (木工) 川上宏志

2016年11月2日(水)〜6日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中 幹人


田中 茂雄 李渓窯 展
田中 茂雄 李渓窯 展

春に明日香・田中邸を訪れた時は、かき揚げと白あえ等が、それぞれ白い重匣に盛られ、黒い匣には鮮やかな紅芯大根が…。
自家採りのえんどうご飯のおにぎりがズラリと並んで、それはそれは美味しい食卓でした。
谷風の爽やかなあの離れに陶々舎のキキさんをお連れし、お茶で交歓した五月の好日のことです。
あの日案内された山あいの畑地には、大きな穴窯がひとつだけでしたが、この夏レンガを組み小振りの倒煙式角窯を増設し、目下窯と格闘中と聞いています。
その窯には、壺や瓶の花器や白瓷の碗や鉢、瓶、堅手の台皿、オンギの角皿等が用意されているそうです。初窯窯出しの作品群をお楽しみに、是非お越し頂きます様お待ち申し上げます。

2016年10月12日(水) 〜16日(日)
11:00am 〜 6:00pm 会期中無休

写真/田中 幹人


伊藤 明美 陶展
伊藤 明美 陶展

伊藤さんは、茶碗に夢中の様です。仕覆を作ったり、茶籠を組んだり…。井戸、三島、青磁、小服など色んなタイプの茶碗が並びます。
伊藤明美さんと云えば塩笥と思われていたのが、茶碗を中心に茶巾筒、振出し、茶入れ、蓋置、水指など茶陶の分野に拡がりがみられ進化されています。振出し・小さい口・小さい金平糖…と思っていたら、意外や大きな口のモノもあります。それにもちゃんと菅蓋がつけてありました。
食器、茶碗、茶道具、花器、酒器と作陶範囲を着実に拡げてきている伊藤さんの焼物を、是非ご覧いただきます様ご案内申し上げます。

2016年9月21(水) 〜 9月25日(日)
11:00am 〜 6:00pm 会期中無休
※臨時休日 8月5日(金)

写真/田中 幹人


第七回韓国古陶磁探求陶人展
第七回韓国古陶磁探求陶人展

作品展示について昨年までは、陶人一人につきパンダヂ一台の制約の中で、工夫して頂いて居りましたが、個性ある陶人の皆さんにはかなり不自由、不十分な状況にありました。 多彩な作品を生かした展示をして頂く為、今回は一人当たり、1.5 〜 2台相当の展示が出来る様、変更・改善させて頂く事にしました。
茶を飲む器の可能性を追いかけている人、茶箱仕立てにこだわっている人、陶器から磁器作りに大きく変身している人、小さな花器作りに熱中している人、それぞれに皆、熱く生き生きと焼物にほうけて居られる人達です。
魅力ある展覧会になるものと思います。暑い時季ではございますが、今年も又、是非お越し頂きます様。

(参加陶人)田中 茂雄 松葉 勇輝 菊池 克 高木 剛 江頭 龍介
               伊藤 明美 市川 孝 鈴木 大弓 西林 学 笹山 芳人 中西 申幸
(敬称略 順不同)

2016年8月6(水) 〜 14日(日)
11:00am 〜 6:00pm 会期中無休
※臨時休日 8月5日(金)

写真/伊藤 信


骨董チョガッポ展
骨董チョガッポ展

朝鮮時代の家具(蔵・篭・パンダヂ)の構造に関係している様で衣服整理の為、風呂敷≒ポジャギがかなり沢山必要だったと思われます。尚そこに、もったいない精神で奥様方が、端布をつぎ合わせて風呂敷につくり上げたのがチョガッポです。
私共、以前の展覧会ではカラフルなチョガッポもかなり紹介させて頂きましたが、此度は生成りのチョガッポの佳品が数点入手できましたので、祇園祭の頃にチョガッポ各種を展示したいと思います。縫いの確かさもあり、色々な工夫がなされており、そこかしこに当時のオモニ達の仕草が垣間見え、作られたプロセスに思いを馳せていると、時の経つのも忘れのめり込んでしまいます。そんな一端をご紹介できればと思いつつ、お越しをお待ち申し上げております。

2016年7月13日(水)〜 18日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/伊藤 信


江頭 龍介 青松白瓷展
青松郡・川口美術親友盟約五周年記念
江頭 龍介 青松白瓷展

一昨年青松郡の招きに応じ江頭君は、初心者に陶技を指導しながら、青松白瓷伝統技術を習得すべく、約半年渡韓致しました。その結実として、彼地にて本年5月1日から6日間、青松郡と当社の友好記念催事・日韓交流青松白瓷展を開催して参りました。その第二弾として、当展を開催させて頂きます。この二年の苦難を乗り越え大きく技巾を拡げ、新境地を拓いてきた江頭君の作品群を是非ご覧頂きたいと思います。
青松郡にも随行し心のこもった素敵な茶会を催してくれた中山福太朗氏が、当展にも茶席を設けてくれます。
息の合った二人の交流の成果としての茶碗や茶器類も並びます。
この間、私にとっても新たな経験の連続だった事を申し添え、当店での江頭君の初個展をご案内申し上げます。

2016年6月22日(水)〜26日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/田中幹人


懐想 全日根 陶展
懐想 全日根 陶展

もう5年になるんです。全さんがなくなってから…。生前あまり窯通いが出来なかった分を埋めるかの様に、5年の間に10回近く窯通いをしています。遺作は減ってきているのに、その度に新しい発見があり、懐しさとつきぬ魅力のある窯場であり、いわば故全日根の遺跡だからでしょう。
今回の陶展には、片口を沢山並べます。日本酒好きだった全さんは、酒器を沢山作りました。徳利、ぐい呑みの他に注器として、片口を好んで作っていたと思います。勿論、他の料理にも活かせる事も充分承知で色んな形の片口を作り出しています。
前回好評だった茶碗・茶器類も再登場しますし、大壷や食器、陶俑も出展致します。今回も全さんの一点をキッとみつけて頂けると思います。今年もお越しをお待ちしています。

川口慈郎

※6月5日(日)庭の片庇で岩井宗心氏によるお茶会を催します。

2016年6月1日(水)〜5日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/田中幹人


我谷盆賛
我谷盆わがたぼん

村が水底に姿をかくすのと引かえのように伝統の生命を継いで、新しい栗の木作りの盆の数々が生れてくる・・・黒田辰秋
我谷盆は1960年頃石川県山中、大聖寺川に造られたダムに水没した我谷村で作られていました。その盆は栗の単材で、ノミによる刳りものであり、内や外に丸ノミの跡が刻まれた角盆です。
我谷盆を作り続けたい。作り続けて欲しいと願う森口信一さんの呼びかけに応えた、多彩な方々に出品頂きます。
自然に寄添い、自然を生かし、作り出された木ノモノの良さを実感して頂きたいと思います。
期間中、庭の片庇を工房に提供し、森口さん他の工人の製作に、直に接して頂く試みをしたいと思います。是非ご参加ください。

2016年4月13日(水)〜4月17日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/古 我谷盆・黒田辰秋書「我谷盆賛」 撮影/田中幹人


高木 剛 陶展
高木 剛 陶展

昨年の好評をうけ、今年も同じ2月に高木展を開催させて頂きます。一段と探求を深めた粉引を中心に展開してくれます。
高木君は、各地の種々の催事に出店参加し、陶人仲間・物作り仲間と、又お客様ともつながっています。
ひととの交流が多い分、世間の話をよく聞いて居り情報量が多いと感じます。それでいて流行に走らず、むしろ流行をさけ、不易なモノを追求している様に見えます。
言い換えれば、ひとの意見をよく聞きながらも、自分の中から発してきたモノを確りつかまえようとしている人であります。
粉引の他に、鉄釉の何かも出展予定と聞いています。自分との対話の結果どんなモノが出てくるのか、愉しみです。
一年一年確実に成長してくる高木君を、皆様と共に期待して待ちたいと思います。

2016年2月20日(土)〜2月28日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日


写真/田中幹人


笹山 芳人 陶展
笹山 芳人 陶展

今年も年初の催事は笹山さんの陶展です。力まずたんたんと作陶を続ける笹山さんです。でも今展は少しイロがついています。
写真の如く、酒器を多く出品して呉れます。写真のモノは少し小振りの5点セットですが、マイグイ呑を持ち歩いて居る人達を意識して、個性あるグイ呑みも数用意しますとのことです。大壷やうづくまる花器の他、掛花生・旅枕や尺八タイプもお選び頂ける様準備しているそうです。土の塊の様な花器も来るのでしょう。食器はどんなモノが出展されるのでしょう。楽しみです。
笹山さんの主柱は、やはり茶器です。氏の手造り諸道具を使っておもてなし席もご用意します。できるだけ連日在廊し、もてなしたいと意欲的です。初春の京都へ、下鴨へ、是非お越し下さい。

2016年1月23日(土)〜31日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日


写真/伊賀徳利 W9p×H11p 撮影/田中幹人


謹賀新年

京都の町がお金優先の開発の名の下に、壊されてゆきます。梨木神社のマンション、東山山頂の展望所、アレは駄目でしょうーと思いつつ動けずにいました。昨年三月身近な糺の森にマンション建設計画が飛び出しました。これは自分も行動しなくてはと思い、自然の森・糺の森を守る運動に加わり、下鴨神社に、行政に、工事業者に、又ユネスコに、有志の皆様と共に働きかけています。京都市の不条理な対処や対応に、砂をかみながらも行動していますが、工事を止めるに到っていません。(続行中)
本業の韓国骨董につき、昨年は木ノモノ展と朝鮮家具展が開催でき幸いでした。今年春は、青松郡との親友盟約五周年に当り、韓国と京都で記念事業を計画して居ります。皆様のご賛同、ご協力を賜りたいと願って居ります。陶人・工人の展覧会も種々計画しております。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
二〇一六年 元旦

川口慈郎

朝鮮後期白磁壷 W20cm×H17cm 花/西山隼人 写真/田中幹人


朝鮮家具展
朝鮮家具展

久し振りの朝鮮家具展です。せいぜいいろんな種類の家具を並べます。とは云え、やはり中心はパンダヂになります。
一概にパンダヂと云っても、色目も鉄具も違うし、サイズも色々です。巾広は106cmのモノがあります。背高は102cmのモノがあります。ペアパンダヂは、所を得れば生きると思います。パンダヂと薬チャンが一体になったモノがあります。
書案も好品が並びます。金庫書案、欅書案、抽斗書案、シンプル・スマートな書案もあります。
置床様に使えそうな床・机・台・凾などがあり、大小があります。
お宅にあうものを是非見つけて下さい。
忙中閑アリ。何かお茶など用意してお待ちします。

2015年12月9日(水)〜20日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日


写真/京畿パンダヂ W89×D43×H90.5cm 撮影/久保田康夫


市川 孝 初窯展

帰郷して独立し、以来十数年焚き続けてきた手なれた窯をこわし、そのあと、新らたな窯を築いています。
近年「茶・菓・花・器ゴト」の旗を掲げ、全国を駆け巡り、その展開で、台湾・中国にまで、活動範囲を拡げ、かつ評価を得ています。
どこまで行くのかな?と思っていたら、ちゃんと本拠に戻り、根城の改造に取組んでいたのです。深慮の人だなと感服します。
此度は初窯です。新らたな釉薬を試みるそうです。窯と火の仕事が加わるのです。思い通りにはゆかぬかも知れませんが、ワクワクして、窯出を待ちたいと思います。
新工夫を加えた茶器や花器、碗壷瓶などが焼かれます。
予想外を予想して、是非今年もお越し下さい。お待ちしています。

2015年11月25日(水)〜29日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/小急須と乳瓶(H12.5cm×W5.5cm) 撮影/田中幹人


菊池 克 陶展

この一年、食器をテーマに作陶に取組んできましたが、未だ何もつかめていません。敢えて言えば、自分も食器づくりのいち員としてスタートしたと言う所です…と謙虚に彼は言います。
食の世界は広く大きく、様々な食器が存在します。木の葉も食器たり得るのです。その中で、大海にのり出した小舟の如くタヨリナイ気持ちですが一漕ぎ一漕ぎ、手近な料理を盛りつけながら、自分の食器を作ってゆくのだと…。
茶碗に行ったり食器に戻ったり、文房具に行って食器に戻ったりしながら、作陶に没頭しています。
今年の締めの個展になります。精一杯の果実をならべて呉れます。ご期待下さい。菊池氏とともに皆様のお越しをお待ち致します。

2015年11月3日(火・祝)〜8日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/田中幹人


イラン絨毯−ガベ展

ガベの絨毯は、一畳弱のモノが多いです。テントの中の一人の居場所サイズなのだそうです。遊牧民が移動する際、筒巻にして扱える手頃なサイズでもあるのでしょう。そのサイズ感が、家の中での“自分の世界”感覚にピッタリくるのかなと思います。
天然草木染めで、手紡ぎで、手織りのオールドガベ絨毯です。おおらかな織柄、素朴な素材感が、朝鮮家具とよく馴染むと当店のお客様にもご好評頂いて居ります。
現代手織りで手軽サイズのガベおざぶも、ならびます。秋の好日、皆様のお越しをお待ちいたします。

2015年10月21日(水)〜25日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/久保田康夫・サイズ/172×114cm


田中 茂雄 李渓窯展

緑深い明日香の、水源の里に田中氏が移り住んで八年になります。
古人の焼物に近づきたいと、蹴ロクロ一本にしぼったのもこの時期からです。かなりあばれた時期もありましたが、こなれてきました。
むらはずれに薪窯を築けたのが五年後でした。初窯は荒れました。あれから三年半が経ちました。
小皿・小鉢・茶碗など食器に加え酒器・花器・茶器を、堅手,白磁,染付,井戸,粉引,三島,鉄釉,焼締などを多彩な組み合わせで出展してくれます。
ひとから教わることが得手でなく、失敗に失敗を重ねながら自分でたどりつく人です。いま充実してきました李渓窯の作品を是非ご覧いただきたく、ご案内申し上げます。

2015年10月7日(水)〜12日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


写真/田中 幹人


伊藤 明美 陶展

「自分が作った器をお客様に持って頂き、使って頂きたい。」
伊藤さんと少し話し込むと必ず出てくる言葉です。モノを作る人にとっては至極、当たり前のことでありましょう。
でも、ことある毎に彼女がこの言葉を使い、作陶のあらゆる場面で、意識し行動しているのは、特徴的なことだと私は思います。粉引・三島・刷毛目・白磁など彼女の好きな李朝陶磁を作りながら、モノはお客様に使って頂ける手頃な器を作っているのです。
此度の会期は9月の連休です。折角の連休に、お越し頂く皆さまをおもてなしすべく、会場に伊藤さん流の茶席をしつらえる事になりました。
彼女の茶碗には桐箱が付き、風呂敷までつける念の入れようです。
伊藤さんのこころねをじっくりご覧頂きます様お願い致します。

2015年9月19日(土)〜9月23日(水・祝)
11:00am〜6:00pm  臨時休/24日(木)


写真/田中 幹人


第六回 韓国古陶磁探求陶人展

今年も二人の若い陶人が新たに加わって呉れることになりました。一度休んでいた別の二人も再度参加して呉れることになりました。
連続して参加して呉れている方の作品も、個性は変らないナと思うモノもあり、6年で作風が大きく変ってきたナと思うモノもあります。
12人それぞれの方の今の思いを込めた作品が並びます。
どうぞ皆様、色んな個性の焼物をお楽しみ頂きます様お待ち致します。
会期中、庭の片庇で、三種のお茶席をご用意します。初日8日(土)は珈琲山居のコーヒー席、9日(日)は大西眞紀子さんの煎茶席、15日(土)は中山福太朗氏の抹茶席を設けます。陶人の器での試飲もご相談できます。

[参加陶人]
菊池 克 江頭 龍介 田中 茂雄 西林 学 木 剛 伊藤 明美
市川 孝 笹山 芳人 水垣 千悦 中西 申幸 松葉 勇輝 鈴木 大弓( 順不同・敬称略 )

2015年8月8日(土)〜8月15日(土)
11:00am〜6:00pm 会期中無休
※臨時休日/8月7日(金)・16日(日)

写真/久保田 康夫


木ノモノ・木工品展

朝鮮時代の韓国は、かなり徹底した地産地消の社会だった様に思えます。石が多い地方は何でも石で作る、木が多い山国は何でも木で作る。森や山の多い地方の人は木を見る時、何が造れるかを常に見ていたのではないか、原木の中にモノの姿を見ていた様に思われます。朝鮮時代の木ノモノは、そんな世界へ私達を導いてくれます。展示品名を書き出してみます。どうぞお越し下さい。
書案、素書床、四方天板、木彫ハムジ、木祭器、祭盆、パディ、薄型書類凾、十二角天板、小天板、カルタ版木、締具、荒彫木皿、透彫花鳥板、透彫柱飾、タジミ、柿タジミ、砧棒、バチ、斜格子、チャンムン、木彫片口、鎬片口、江原円盤、虎足盤、四方床、欅ローソク台、ジャバラ、木杯、木椀、書斎盆、托、香合、麺板、餅板、餅刀、シャモジ、菱花盤、茶入、黄楊容器、墨壺、糸巻、象嵌糸巻、針容器、凾、臼台、木臼、帽子型、書斎枕、木彫魚、亀型閂、円筒容器、ユンノリ、筆筒、瓢子杯、茶盤、民画下絵版木、民族叩楽器、版木、木活字、杼、麒麟木彫板、餅型、茶菓板等々

2015年6月13日(土)〜6月21日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日
※最終日6月21日終了後 6:30pm〜9:00pm 昨年に続き、自然によりそうともしび茶会(予約制)を開催します。
詳細はブログ又はTEL075−781−3511。問い合わせ、お申込下さい。


写真/田中 幹人


水垣 千悦 陶展

東京の八王子から大分の豊後田に移り住んで三年。焼物に熱中の生活が続いています。そんな中で、春のイブキを、季節の花の香りを感じながら作陶している水垣千悦さんです。
その焼物は、朝鮮時代の焼物と根ッコの所でつながっている様に思います。多分それは、正確さを強くは求めない心と言った所でしょうか。白磁の白さにも巾があり、面取りにもユルさを感じます。
山水などの染付も出展されますし、刷毛目や三島の食器も加わります。春の花を生けたくなる様な器も並びます。
白磁の酒盃や湯呑を使って、春暖の裏庭片庇で大西眞紀子さんに煎茶の席を設けて頂きます。
どうぞ二年ぶりの水垣展にお出掛け下さい。お待ちしています。

2015年4月15日(水)〜19日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日
※お茶席は4/16(木)と4/19(日)1:00pm〜5:00pm

写真/田中 幹人


高木 剛 陶展

今回が当店での初個展です。一昨年の夏の陶人展に参加以来既に一部のお客様にはおなじみ頂いて居り、それ以前にも百万遍手づくり市の出展常連であったことで、引き続きごひいき頂いているお客様も居られ、有難く思って居ります。
韓国古陶磁が好きだと言うだけあって、私共の店に来るとかなり熱心に焼物を観てゆかれます。それだけに出展品には朝鮮の焼物の雰囲気がただよっています。高木氏の粉引は人気がありますし刷毛目、三島、焼〆も手がけてこられました。今回は堅手も加わり、力量アップを感じます。ぐい呑、台皿、碗の他、蓋付壺、徳利、急須も注目されています。内に外に意欲的に研究勉強に励む三十六歳、若き陶人です。是非ご来店ご覧いただき、ご助言賜われれば幸いに存じます。

2015年2月21日(土)〜3月1日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/田中 幹人


笹山 芳人 陶展

二年振りの個展です。その二年の間に還暦を迎えられたそうです。日本芸能の極み、能楽を観る為、毎月京都にかよって来られていたのは10年ほど前のことでした。
陶の道の内と外を、色々の面から探求して来られました。愈々佳境に入られたと感じて居りますが、笹山さんご自身は、至極たんたんと過ごされて居ります。
今展も茶碗を中心に据えつゝ、伊賀、刷毛目、イラボ、粉引などの茶器や湯呑、飯碗など日常使いの食器や酒器も並びます。
熱烈なファンを持つ個性的な花器も充実して居ります。豊富な品揃えをお楽しみ下さい。
期中、1月31日(土)は、店内で、笹山さんの茶道具一式を用いたお茶席を新進茶人中山福太朗氏が開きます。
是非ご来店頂きますよう、お待ち申し上げます。

2015年1月24日(土)〜2月1日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日

写真/伊賀茶碗 W12cm 撮影/田中幹人


謹賀新年

昨年五月は、二十余名の韓国青松郡友好訪問旅行が実施でき、且つ青松白瓷工房に研修生を送る事ができ、親友盟約が実をあげています。
店と母屋を結ぶ杉歩廊が完成し、夏至のともしび茶会にも役立ちました。
茶道部長中山福太朗氏の一昨年からのたゆまぬ活動と多くの協力者のお力添えで、故全日根茶碗展・茶会が盛り上がり、多数の賛同を得ることができました。有難く御礼申し上げます。
今年は個展催事を毎月一回におさえ、充実させて参りたいと存じます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
二〇一五年 元旦

川口慈郎

欅冊パンダヂ W94cm D40cm H63cmと笙H43cm 写真/伊藤 信

[年初催事] 笹山芳人 陶展  1月24日(土)〜2月1日(日)
        高木 剛  陶展 2月21日(土)〜3月1日(日)


菊池克 陶展

今年は食器をテーマに取組んでいます。角皿や丸皿に加えて、台付皿も作っています。飯碗や小鉢など鉢類にもひろがっています。と聞き楽しみにしています。この秋、声がかかり東京でも個展を開く事ができ、一段と充実した作陶を続けられている様子です。
文房具、茶碗など以前から取組んできたジャンルに加え、日常的食器に取組む事で、菊池氏は、大地を確りつかむ作業をしている様に思えます。文化的素養を有し、着実に巾を拡げながら大道をゆく、氏の姿を頼もしく思っています。
色々のジャンルの作品、ジャンルを越えた楽しい作品の中から、あなた様に似合う一品をお選び頂きます様お待ち致します。

※12月14日(日)、菊池氏の茶碗による茶席を、茶人中山福太朗氏が催してくれます。

2014年12月10日(水)〜14日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中幹人・サイズ/角皿巾21p


第四回 市川 孝 こしらえ(こしらえ)

“旅する茶ゴト”を旗印に、作った器をコトに託して、市川氏は今年も全国を飛び廻りました。中でも夏に仙台で行われた、蓮池に舟を浮べての茶ゴトはいかにも市川氏らしい、器と時間の楽しみ方の提案だったでしょう。
当店の拵展では、市川氏の原点、工夫を重ねるモノ作りに焦点をあて、同氏の拵力を観て頂きたいと思います。今回“とっておきの一品を生かす器”をテーマに、色々の器を作って頂きました。とっておきの料理を盛る食器、とっておきの花を生ける花器など、並ではない、深まりのある器を観て頂きます。小皿一つにも精根が込められています。茶器、花器、食器に拵えものを加え、充実したモノ作りを是非ご覧下さい。

2014年11月26日(水)〜30日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

写真/田中幹人


故 全日根 茶碗展

茶碗も作ってみるのだが、底がへこんでないとイケないとか、色々約束があって、結構むずかしいですワ、と生前全さんから聞いたことがあります。
私は、茶碗が出来たと全さんが持って来るのを待っている気でした。亡くなって、全さんの窯場に行ってびっくりしました。茶碗が沢山あるのです。あんな風に言いながら織部風のものや、安南風のもの、オリジナルなものなど色々作っていたのです。
みたての心でみると、キワの茶碗が多く、非常に愉しいと茶人福太朗君の感想です。ならば、皆様に全さんの茶碗を紹介してみようと思いました。没後3周年、11月19日の命日を期し、茶碗展を開催させて頂きます。茶碗として使って、観て頂くのが良かろうと下記の様に茶会を開いて頂きます。
お好みにかなう一点を見出して頂ける様祈っています。

11月19日(水)川口美術 片庇 11月22日(土)陶々舎
11月20日(木)川口美術 片庇 11月23日(日)岩井邸
11月21日(金)川口美術 片庇

ご出席ご希望の方、詳しいご案内は075-781-2255(TEL・FAX兼用)にご請求下さい。ブログでもご案内致して居ります。

2014年11月19日(水)〜23日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜

写真/田中幹人


民画文字図展

子供の頃夢中になって読んだ「南総里見八犬伝」は、儒教が根底にあり、仁義禮智忠信孝悌の八文字が八ツの玉にあったんだ…朝鮮民画の文字図、孝悌忠信禮義廉恥の八文字を見た時、昔を思いだしました。
較べてみると、日本の八文字には仁と智があるが韓国の八文字には廉と恥がある。この二文字の入れ替りは、当時の国状や国民性や様々なお国柄が影響している様に思いますし、文化の伝播は、そのように状況に応じ変化しながら、拡まってゆくのだなと思います。
文字図にも色々なタイプがあります。そればかりでなく、皮筆(飛白文)と呼ばれる、筆法に特徴のあるものもあります。多彩な文字図の世界におはいり頂き貴方好みをお見つけください。

2014年11月1日(土)〜11月16日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中4日・10日・11日は休日です。

写真/田中幹人


伊藤 祐嗣 金工展

春五月、韓国青松旅行に同行し、周王山の渓流を眺めながら、朝茶をよばれながら、又安東に向うバスの中で、会話がはずみました。時に秋の個展にも話がおよび、楽しい旅行ができました。六月京都で会った時は、庭での煎茶席に誘いお茶のエキスを愉しみ、古道具店に同行し、初夏の一日を楽しみました。
便りによるとその後、煎茶的なお茶を独り愉しんで居り、茶道具にみたてられるモノづくりを目指しているとの事、さて何が。水滴、筆置など文房具系のモノや、生活の場で花を楽しむ小花器や、吊り花器などが並びます。鉄鉢型の大鉢や、伊藤さん得意のパエリアパン大・小などレパートリーの広い所を見せてくれます。あなたの生活を豊かにしてくれるモノがきっとあります。
どうぞお出掛け下さい。

2014年10月22日(水)〜10月26日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

※10月25日(土)は裏庭の片庇で、大西さんの煎茶席を開きます。お愉しみに。

写真/田中幹人 サイズ/右端高さ13p


―イラン絨毯―
OLD GABBEH展

イラン革命前、1940〜50年代のイランには近世社会の生活が随所に残っていて、ゆっくりとした時が流れていた時代だったのだろうと思います。その頃のガベは、主に、身近な家族や身内の遊牧生活の必需品として織り上げられました。飾らぬ生成りのガベに良いモノが多いのも納得です。文様を織り込む時も、身近な動物や植物、周りの自然のモノやコトを素朴に織り上げた絨毯が多く、親しみやすく、やさしい絨毯です。
9月欧州の市場から持ち帰られるモノを含め、佳き時代の良きモノが並びます。どうぞ、ご自身の心地良い居場所の為の一点を見つけにお越しください。

2014年10月8日(水)〜10月13日(祝・月)
11:00am〜6:00pm 会期中無休

今後の催事予定/・伊藤祐嗣金工展10/22〜10/26・民画文字図展11/1〜11/16 ・故全日根茶碗展11/19〜11/23・市川孝拵展11/26〜11/30・菊池克陶展12/10〜12/14

写真/伊藤 信・サイズ/176×119p


第五回 韓国古陶磁探求陶人展

恒例となりました盛夏の催事、陶人展です。近くの糺の森では、伝統行事になりつつある古本市が開かれる時期です。陶人の皆さんの努力により、きっと、良いモノ、優れたモノ達が沢山顔を揃えてくれると思います。
会期中、8月10日(日)庭の片庇に、煎茶席を設けます。8月16日(土)には抹茶席を設けます。お茶を飲みたくなる展示品がありましたら、庭の茶席でお飲み頂ける様計らいたいです。
常連ごひいきの方に加え、今年新たに加わって頂いた三氏にもどうぞご期待下さい。是非お越しをお待ちしています。

菊池 克  森岡由利子  伊藤 明美  高木 剛  高  萬慶
市川 孝  笹山 芳人  中本 純也  西林 学  田中 茂雄
(新参加)
朴 相彦  中本 理詠  江頭 龍介 (順不同・敬称略)

2014年8月9日(土)〜16日(土)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


初めての韓国買付けレポート

1月下旬の極寒の韓国へ、初めての一人で買付けに行くことになりました。寒さを覚悟して防寒重装備で出かけましたが、天候急変で韓国の人が「春が来た」と言っていたほど穏やかな気候でした。一口に韓国骨董といっても焼き物から、家具類、木のモノ、金モノ、布モノ、絵画等々と幅が広いものですが、今回はパディとタディミなどの木のモノに限っての買付けと指示を受け、不安ながら出発しました。
3日間かけて、川口さんの馴染みの店を見て廻り、自分なりに納得出来る品を見つけて買付けることが出来ました。家具類も良い物があり、トンケと豆櫃、香床や格子戸も見つけ、それに石瓦も買えました。これらの品が2月20日頃には届く予定です。初買付けの着荷が楽しみです。
皆様のお気に召すモノが一つでもあります様願っています。

福桜博一


謹賀新年

昨年は私共の店の開業二十周年で、数多くの催事を実施させて頂き、多くの熱いご声援を頂き、誠に有難うございました。
十一月の青松展では、日頃親しくして頂いている四店のご協力を得て、催事が大いに盛り上がりました。その勢いにのって、五月に予定の青松旅行も多数の申込を頂き、早や秋にもとの声まで頂いており、喜ばしいことです。
今冬は、催事のないスローな営業を行い、暖春からの活動に備え体調を整えたいと考えて居ります。
皆様のご健康をお祈りし、併せて、変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。

二千十四年 元旦


開業20周年記念催事
伊藤 明美    陶展

伊藤さんは福岡県田川市で作陶されて居り、私共の韓国古陶磁探求展に毎年参加して頂いている方です。韓国の焼物に憧れ、粉引、三島、灰釉、堅手、白磁などを良くされます。
なかでも粉引塩笥茶碗への傾斜は並ではなく、それが彼女の作陶の芯になっていると思います。
伊藤さんが陶の先輩と会話している所に居合わせました。お茶碗にしては安価過ぎるので値を上げてはとの言に、彼女は、お客さんに使って頂きたいので値は上げたくありません。箱を付け、風呂敷を作っているのも、お客さんに持って頂く為ですから・・・と答えて居られました。お客様に買って頂き、持って頂き使って頂くことの強い信念を感じた会話でした。
今回は明器の形を生活の場にと云うテーマで当展を特徴づけて下さいます。ご期待頂きご来場賜ります様お待ち申し上げます。

2013年12月4日(水)〜12月8日(日)
11:00am 〜 6:00pm  会期中無休
※最終日には九州から届く羊羹と塩笥茶碗で茶人中山福太朗氏のお茶席があります。


開業20周年記念催事
市川 孝    花遊び の道具展

以前から川口美術が催す「花遊び」に魅かれて居り、みたて・西山氏の協力を得て20 周年に花を添えたいとの提案を受けました。
花遊びの時・場を思い、花入を中心に、そこに必要な物を色々拵えてくれるそうです。市川氏流に思索を重ね種々試みた花入や花道具を早く見たいものです。
会期中の28日(木) と29日(金)を花遊びの日とし、両日の午後2 時からは西山氏が花遊びに加わって呉れます。花遊びをしたりその道具の使い方などトークのあるお茶タイムもお愉しみ頂きます。
人気の急須など茶器、食器、拵えモノもいろいろ陳びます。師走のせまったこの頃ですが、どうぞ心愉しい市川展に是非お越しください。
尚西山氏による花遊びは、後編があり、紫竹のみたてで少し形を変えて12月7日(土)・8(日)にも催されます。どうぞこちらにもお出掛け頂きます様お願いします。詳細はみたてのHPなどをご覧下さい。

2013年11月27日(水)〜12月1日(日)
11:00am 〜 6:00pm  会期中無休


開業20周年記念催事
スローシティ青松展

2011年韓国慶北の青松郡と親友盟約を結びました。初年は締結記念陶人展を2年目は青松白瓷展を催し、3年目の今年は多くの友人の協力を得て対象を観光物産に拡げスローシティ青松展を開催させて頂きます。
青松郡は、古都慶州の北方に位置し国立公園周王山の麓に広がる自然豊かな山間の地で、朝鮮時代に五人の王妃を送り出した名家沈氏の故里でもあります。ミネラル豊富な水が湧き出し、薬水や薬水料理として親しまれています。昔ながらの四日市や九日市の市がたち、その盛んな様はまさにスローシティだと得心いたします。そんな青松郡を皆様にお伝えしたくこの展を開催させて頂きます。協力四店では青松リンゴのデザート他取組みを頂いています。詳細はブログやチラシをご覧下さい。

  詳細パンフレットはこちら

主催 : (有)川口美術共催 : 大韓民国慶尚北道青松郡
協力 : 自家焙煎WEEKENDERS COFFEE ・ 和洋家庭料理 雲心月性
          器と道具・喫茶室 木と根 ・ grill&cafe 猫町
協賛 : (株)ブリッジコーポレーション

2013年11月13日(水)〜11月19日(火)
11:00am 〜 6:00pm  会期中無休


開業20周年記念催事
韓国骨董展

ご挨拶

お蔭様で11月1日、私共川口美術は開業20周年を迎えます。開業時は新羅土器が中心だった事、3周年で朝鮮家具展を催し韓国骨董店へ一気に進んだ事など思い出します。
今展はその20年の集大成として色々のジャンルの韓国骨董を出来るだけ多種並べてみたいと思います。馴染みのモノもあれば初見のモノもあると思います。改めてこんなモノを持っていたのかと我ながら驚いたり、今在るモノを並べているとお客様にお納めした今無いモノを思ったり、仕入れた時の様子を思い出したり、していて、整理がはかどりません。
師を失った事、賊に入られた事、家内を亡くした事、大文字の景観がふさがれた事など色々ある中、ここまでやってこれたのはひとえにお客様皆々様のお支え、交わりがあったればこそです。骨董街でもない此地でポツンと営業して参り、よくぞこれまで続けさせて頂きました事、感謝して居ります。本当に有難うございました。
これからも精進致しますのでどうぞよろしくお導きくださいます様お願い致します。ご来駕お待ち致して居ります。

川口美術 代表 川口慈郎


写真/ツキアカリ  田中幹人    花/みたて  西山隼人

2013年11月1日(金)〜11月10日(日)
11:00am 〜 6:00pm  会期中無休
※ 10/30・31は当展準備の為臨休とさせて頂きます。
※ 11/1は(煎茶)大西眞紀子さん、11/10は(抹茶)中山福太朗さんに祝賀茶席を開いて頂きます。


開業20周年記念催事
菊池 克 陶文房具展

菊池さんがこの一年、陶文房具作りに精力的に取り組んでくれました。2年前、私共の陶人展に参加してくれた時既に水滴が出品されていました。昨夏の陶人展では、力作の透彫筆筒を出展してくれました。此度は、それをもう一歩、もう二歩進めた巾広い陶文房具への取組みです。
韓国骨董の中で、書斎で使われた文房具は特に大事に作られたモノで其々が個性的で、優れたモノ面白いモノが多いのです。時代は異りますが、菊池さんは一つ一つ確り練り上げたモノ作りをされています。写真はスペイン飲水壷形水滴です。留学時代5年間の生活に根ざした身近に親しんだ形を水滴に練り上げられたモノです。菊池さんの真摯な取組みの果実を是非ご覧頂きたくご案内申しあげ、お待ち申し上げますます。

2013年10月23日(水)〜10月27日(日)
11:00am 〜 6:00pm  定休日/月・火曜日


開業20周年記念催事
田中茂雄 李渓窯展

初夏に明日香村の田中氏から、スモモの手造りジャムが届きま した。集落から預かった段々畑で採れたモノです。スモモは李 ですと言葉が添えられていました。
井戸茶碗に魅せられ作陶の道にはいり、李朝の焼物を探求している田中氏がたどり着いた明日香村栢森が李の里でもあったのです。ならば、窯名を李渓にしてはと応えました。
薪窯もやっとなじんで参り、充実した作陶に取組める今秋から李渓窯を名乗ることにしますと嬉しい返事がきました。
今展は、ぐい呑、徳利など酒器をはじめ、豆皿など小料理食器を種々工夫してみました。ひも作りで蓋物や水指、菓子鉢を作りました。井戸など茶碗も見て頂きたいものです。
秋がやって参りました。是非お越しをお待ち申し上げます。

2013年10月9日(水)〜10月14日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日


開業20周年記念催事
オールドガベとオリエント考古美術展

オールドガベを紹介して7年になります。その間、岡山の小野善平氏にお世話になりました。少数ながら確実に良いモノをお届け出来た事を喜んで居ります。
小野氏は民芸運動の盛んな岡山の地に育ちオリエント考古美術に魅せられ、骨董の世界にはいられたとの事。20周年記念として氏の蒐集品を展示即売頂く事になりました。当店では日頃見て頂けない5000年も前のモノなど古代の異文化の世界をお愉しみ頂ければと思います。
今年もオールドガベの好いモノが陳びます。是非ご覧頂き、今年こそ如何ですか。ご来店お待ち申し上げます。

2013年9月18日(水)〜9月23日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日


開業20周年記念催事
新羅土器展

久しぶりの土器展です。20年前、私共の店は“新羅土器を花生に!”をコンセプトに開業いたしました。
数年前“この本にはびっくりした”と帯の付いた「ローマ文化王国─新羅」新潮社刊に出会いました。ガラス工芸界の大家と思っていた由水常雄氏の著書で驚きでした。以前から把手付カップ形の新羅土器に西洋のニオイを感じ不思議に思っていた事がこの本で美事に解明されて居り、感服したものでした。
今展では把手付新羅土器の色々を並べます。ユーラシア大陸を意外に大きく移動していた古代の人達、そしてその文化の交流に思いを馳せて下さい。
尚、恒例の花遊び≠下記により催します。是非お気軽にご参加下さい。ご来店をお待ち申し上げます。

2013年9月4日(水)〜9月8日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日
花遊び:7日(土)・8日(日)


開業20周年記念催事
第四回 韓国古陶磁探求陶人展

8月1日(木) を初日とさせて頂きました。木曜日スタートです。
今年は、 三人の陶人に新たに加わって頂きました。新しい個性を見せて頂くのを楽しみにしています。当展も回を重ねて参りましたので、新しい試みとして合同の展示スペースを作り14人全員の片口を並べてみたいと思います。
勿論、当展の出展品目は基本的に自由であり、各陶人が今作っているモノ、お客様に見て頂きたいモノ等を自由に持ち込み自分スタイルに展示して頂くことにして居ります。14陶人それぞれの個性をお楽しみ頂きます様ご案内申し上げ、ご来店をお待ち申し上げます。

森岡由利子  喜多村光史  田中 茂雄  笹山 芳人  市川  孝  中本 純也  荒賀 文成
西林  学  中西 申幸  水垣 千悦  高木  剛  菊池  克  伊藤 明美  高  萬慶(順不同・敬称略)

※期間の中央8月7日(水)はWEEKENDERS COFFEEの金子将浩さんが庭の片庇で、スペシャルコーヒーを淹れて呉れます。お愉しみに。

2013年8月1日(木)〜11日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日


開業20周年記念催事
伊藤祐嗣 金工展

骨董屋には色んなタイプがあります。中でも、長安坪のトンインバンは独特です。それは彼がイツモ執筆中である事です。専門の朝鮮家具の著作が三冊あります。それに留まらず、家具に使われた「釘」だけで一冊の本を著わしてしまいました。
伊藤祐嗣さんも、この本をイタク気に入って呉れ、美事なデータベースの著作だと共鳴したものでした。それは数年前の出来事で朝鮮家具の鉄金具に強く魅かれ感心する事しきりだった伊藤さんに、その著作を見せた時の事でした。
伊藤さんの仕事は、かなり幅広いのですが、送られてきた小品の中に高麗の美意識に通じるモノを感じ嬉しくなりました。金工展は当店では初めてです。是非一生モノのご自身好みの品を見つけに、お越し頂きます様お待ち申し上げます。

2013年6月26日(水)〜30日(日)
11:00am〜6:00pm 会期中無休


開業20周年記念催事
涼感 韓国骨董展

朝鮮時代、涼感の為に用いたモノや、現代私達の涼を誘うモノを、韓国骨董の中から探してみました。オンドルの床の上にスノコ仕様の平床を置き、足元の汗ばみを避けていました。親友が来た時には、その上で囲碁などを愉しんだそうです。
民画の水中遊魚図も涼感を呼ぶモノです。何と多様な魚が描かれている事か。のみならず、藻や貝や蟹などの小生物まで、まるで水の中にもぐっている様に描き込んでいます。
紙をハガした格子戸は、涼しげなモノです。夏物の衣服の端布で作られたチョガッポも元の用途は風呂敷ですが、タペストリーとしてみたてると涼風を誘います。杼や篭も使えます。
やがてやって来る猛暑に備え、涼感を呼ぶモノを見つけに、是非お越し下さい。

2013年6月5日(水)〜6月16日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日


開業20周年記念催事
故 全日根 名残展

ご家族が整理された遺作の中に、初期のタイプの湯呑みを見つけ、懐かしさがこみあげました。全さんは、湯呑みをよく作りました。今回は種々の形の湯呑みを集めてみました。お茶碗も色んな形を試みていた名残があり、並べてみます。
食器セットはもう少ないですが、一品一品の器をお楽しみ頂ける様並べます。是非思い出の一品をお選び頂ければ幸甚です。
5月25日(土)は、故全日根氏を偲んで、彼の茶碗で、お茶を飲んで頂ける様、若い茶人中山福太朗氏のお茶席をご用意させて頂きます。
お越しをお待ち申し上げます。

2013年5月18日(土)〜5月26日(日)
11:00am〜6:00pm 定休日/月・火曜日


開業20周年記念催事
朝 鮮 民 画 展

朝鮮民画はオトボケ画だけではありません。だけではないが、家具にも民画にも相通じる不思議なゆるさ、ゆらぎを感じ魅かれます。特徴的な民画として、文字図があります。多くが儒教を説くキイワードであり、部屋を飾った屏風に配し子供の目に触れさせていた姿勢に感心します。種々のタイプがあり、文字にちなむ昔話のテーマを絵として文字に絡ませるタイプや筆跡の中に組込むタイプ、直線を多用するタイプ等々があります。
冊架図も特有のジャンルです。彼国18C頃、漢籍や古文物の蒐集に傾倒する文人達が居て、ある種中国骨董ブームだったとの事。冊架図に描かれている書物や陶磁器は、まず中国物であり成程と合点がいきます。
勿論、山水画、花鳥画、遊魚図、故事画などもあり、画院の手のモノもあり、旅廻りの画家風のモノもあり多種多様です。限りなく魅力あふれる朝鮮民画の世界へどうぞお越しください。

2013年4月24日(水)〜5月6日(月)
11:00am〜6:00pm 4月30日(火)は定休日


開業20周年記念催事
水垣 千悦 食の器 展

あれから10年になります。柔かい感じの白磁の面取壺でした。思いがけず若い若い女性が、キッパリとこれ下さいと言われた時の戸惑いを今も憶えています。少しマケますと言ったら、すかさず、それなら別のこの皿もほしいんですと返ってきて、お美事と思い、話を少し聞かせて頂きました。神保町時代の李白で働いた事があり、陶を志し、園部の学校に通っていると。やっぱり並ではない心を持った人だと思ったことでした。
八王子で窯をもたれていた時期、上京する機会がありお会いしました。李白の宮原さんが娘をよろしくと云う風な言い方をされ、良いナと思い、光栄に思ったことを想い出します。
10年いだいてきた個展の期が参りました。千悦さんのスキッとした食器達は、きっと皆様に喜んで迎えて頂けると思います。陽春の候、どうぞ皆様、ご光来お待ち申し上げます。

2013年4月17日(水)〜21日(日)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日


開業20周年記念催事
骨董 青松白瓷 展

20年前、開業の頃、先輩骨董屋さんに教えてもらったままに買い売りしていた、その頃、これも李朝で青松白瓷です・・・と言われても何か腑に落ちないモノがありました。色も形も違うし、軽いし、瓶の胴は丸ッこいし、首元に輪線がはいっているし、何か違うと思っていました。韓国からやってきていた高さんが、青松はさ程古くなく100年位のモノで他とは違っている、会寧と青松は変わっているが李朝だと教えて呉れました。
その言い方に妙に納得した事を思い出します。以来、家具買い付けの傍ら、カワリモノを見つけては店に並べて参りました。
20周年を機に私の元に集まってきた骨董青松白瓷をご披露し、皆様にその面白さを感じて頂ければと存じます。
どうぞご来店賜りたく、お待ち申し上げます。

2013年3月20日(水・祝)〜31日(日)
11:00am〜6:00pm 定休 月・火曜日


開業20周年記念催事
梶原 靖元 陶展

梶原さんは腕利きの唐津の陶工です。
唐津の古窯跡をくまなく巡り、探索し、近年は古唐津のルーツ韓国の窯も数多くをたずねて居られる大変研究熱心な方です。
此度の出品は、私どもの店で見た新羅土器に心ひかれて、鉄釉で焼いたモノを出展しますと聞いていました。
届いたモノを見てビックリ、感心しています。私共は、日頃経年変化した新羅土器をみていますが、もしかしたら、出土前・ 1500年前はこの様なモノだったのではないかと思う位、風格があるモノでした。 白磁堅手を加え、白と黒の調和の美しい展になると思います。
是非ご高覧頂きたくご来場お待ち申し上げます。
※3月9日(土)は、梶原さんのお茶碗で若い茶人のお茶席をご用意します。

2013年3月6日(水)〜10日(日)
11:00am〜6:00pm 定休 月・火曜日


開業20周年記念催事
喜多村 光史 陶展

56才でゼロから出発した骨董屋としては、なんとか20年と云うのが正直な所です。当店では2階をギャラリーとして企画展を催してまいりましたが、もうその古株が喜多村君と云う事になるのです。
最初の頃は育ちの早い粉引に血道をあげていたのを思い出します。
粉引、堅手、白の器を追いかけていました。その頃からロクロの手際は際立っていました。近年は鉄釉に傾倒し白の器をベースにしながら、鉄のあしらいに工夫をこらして参りました。此度は刷毛で鉄砂をあしらう鉄砂の器を新出して呉れました。新しい試みを加えた作品群を是非ご覧頂きたく、ご案内申し上げます。
鉢、碗、片口、湯呑、板皿など取揃えてお待ち申し上げます。

2013年2月6日(水)〜11日(月・祝)
11:00am〜6:00pm 定休/月・火曜日(祝日は営業)